就労移行支援

就労移行支援で就職したら?その後どうなる?就職後の定着支援は6か月

ヤンネコ

就労移行支援の利用者は、就職後や復職後どうなるの?

就職できなかった人はどうなるの?

就労移行支援から就職したら、職場定着支援が受けられるよ。

就職できなかった人は、就労継続支援事業所へ移ったり、在宅で過ごしたり様々だよ。

ガイドさん

就労移行支援事業所から就職/復職した人は「就職後6か月の定着支援(※1)」+「最長3年の就労定着支援」が受けられます。

※1:原則6か月ですが、実際には事業所ごとに支援期間は様々です。

  • 就職後/復職後の支援の流れ
  • 辞めた後の進路
  • 定着支援のメリット/デメリット
  • 定着支援の具体的な内容
  • 定着支援は本当に意味あるか?

など解説します。

就労移行支援をこれから卒業する方、卒業後の支援が気になる方、ぜひご覧ください。

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当サイトの情報は記事執筆時点で収集したものです。厚生労働省等の情報を参考にしていますが内容を保証するものではありません。詳しくは各自治体や事業所等へお尋ねください。

就労移行支援から就職したら?その後は?

就労移行支援事業所を利用した人はその後、「就職した人」は定着支援を受けられ、「就職できなかった人」は就労継続支援A型・B型などへ移ったりします。

ガイドさん

就労移行支援を辞めた後は、就職以外では「在宅」や「B型事業所(作業所)」となることが多いよ。

以下は東京都の令和2年度実績です。

就労移行支援利用者の「その後」

就労移行支援事業所の利用終了者のその後グラフ

※「復職」「在宅雇用」の割合は就職者全体に対しての割合です。

※資料データから「不明」の人数を除外して再計算しています。

※参照:東京都福祉保健局(令和 3年度 就労移行等実態調査 結果概要)

就労継続支援A型・B型からの就職者も、各施設から定着支援を受けられることがありますが、就労移行支援のほうが「より手厚い定着支援」を受けられます。

ちなみに、就労移行支援は原則2年の利用期間を過ぎても、延長や期間リセットなどで3年以上利用できるケースがあります。

↓利用目的、対象者、賃金の有無など↓
就労移行支援と
就労継続支援の違い
↓何年、何回まで利用できる?再利用条件も↓
就労移行支援の
延長申請や期間リセット

7割以上の利用者が就職後も支援を受けている

就労移行支援事業所の就職者の7割以上は、定着支援事業所などから就職後も支援を受けています。

約3割の方は、定着支援を利用していません。

東京都の令和3年度調査(令和2年度実績)参照。

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※2024年現在までの累計就職者数

就労移行支援から就職したら仕事が長続きする!

就労移行支援事業所から就職した人は、その後「仕事が長続きしやすい」という特徴があります。

職場定着率は、ハローワークから就職した人の障害者全体の定着率よりも約14%高いというデータもあります。

ガイドさん

「体調管理」「コミュニケーション能力」などの訓練や、定着支援が充実していることのおかげで定着率が高いよ。

A型事業所やB型事業所など、他の就労支援サービスと比較しても、とても高い定着率といえるでしょう。

↓大手・中堅5社の定着率比較など↓
就労移行支援の定着率・定着支援

就労移行支援の定着支援とは?

就労移行支援の定着支援は、就職したら原則6か月(※1)受けられます。

面談、電話、メールで悩みを相談できたり、支援員が環境改善の働きがけなどを企業側へ行ってくれたりします。

※1:期間は就労移行支援事業所やケースにより異なります。6ヶ月より短い場合もあれば、長い場合もあります。

就職後の支援の流れ

就職後は、就労移行支援による「原則6か月間」の職場定着支援があり、「就職後7か月目から」は就労定着支援による職場定着支援が行われます。

就労定着支援は、就労移行支援とは別の障害福祉サービスですが、多くの就労移行支援事業所では就労定着支援も行っています。

就職後の支援イメージ

就労移行支援事業所の就職後支援のイメージ図

※1:就労移行支援の定着支援終了後に就労定着支援を利用しなかった場合でも、なかぽつ等へ引き継ぎ可能なケースがあります。

※2:就労移行支援事業所によっては、6か月を超えて何年も支援をしてくれる施設があります。

※参照:厚生労働省(就労移⾏⽀援、就労定着⽀援及び関係機関による⽀援の連携)

「就労移行支援の定着支援」と「就労定着支援」の支援内容に、大きな違いはありません。

就労定着支援は最長3年で、就職後3年半経ったら障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)へ支援を引き継ぐことも可能です。

定着支援は希望者のみ行われます。

ガイドさん

就労定着支援を行っている就労移行支援事業所なら、6か月経った後も同じ事業所から支援を受けられるメリットがあるよ。

自分のことをよく知っている人たちから、支援を受けられるのはいいよね。

利用者も相談しやすいし‥

ヤンネコ

↓就労定着支援については、以下をご覧ください。

↓定着支援と移行支援の違い
就労定着支援と就労移行支援の違い!

定着支援のメリット・デメリット

定着支援のメリット

・「一人でがんばる」より精神的に楽

・仕事が長続きする可能性が高まる

・支援員が職場との橋渡しをするのでトラブルになりにくい

特に「転職や退職を繰り返して仕事が長続きしなかった人」はメリットを大きく感じられるはずです。

定着支援のデメリット

・定期的な連絡や面談が面倒に感じられることも

・就職後の収入により利用料金が発生する可能性あり

人によっては、状況確認等の連絡や面談が面倒に感じられるかもしれません。

必要なら「頻度を減らしてもらう」「面談ではなく電話・メールにする」など調節してもらいましょう。

ガイドさん

就労移行支援も就労定着支援も、前年や前々年の収入によって利用者負担額が決まるよ。

これまで無料でも、就職2年目から料金発生する場合があるので、気を付けてね。

↓年収いくらまで無料?いつの収入?↓
障害福祉サービスの利用者負担額

定着支援の内容

職場定着支援は「仕事面」と「生活面」の両方に対して行われます。

支援員が、就職者や企業担当者からそれぞれ相談を受けて、お互いに伝えたり、三者面談を行ったりして調整してくれます。

ヤンネコ

仕事面はわかるけど、なんで生活面も?

安定した就労には「生活面」が関係しているからだよ。

例えば「不規則な生活リズム」が遅刻や欠勤につながったり、「家族の問題」が本人のメンタル不調に影響したりするからね。

ガイドさん

支援内容や手厚さは施設によって異なります。

仕事面での定着支援

就労支援員が会社と就職者の間に入って、働きやすい環境づくりをサポートしてくれます。

「職場に直接言いにくいことを支援員を介して伝えられる」などの大きなメリットがあります。

  • 1.人間関係の相談

    上司や同僚とのコミュニケーションに困っている場合、支援員が悩みを聞いてくれたり、アドバイスしてくれたり、「本人の障害特性を職場に改めて周知する」など働きかけてくれたりします。

  • 2.業務内容や作業工程の相談

    「業務内容が自分に合っていなくてつらい」などの悩みがある場合、企業担当者と連携して作業工程の見直しをはかったり、配属先の再検討など行ってくれたりします。

  • 3.職場環境の相談

    「うるさいので耳栓を許可してもらう」「エアコンの風が気になって集中できないので席を変えてもらう」など、職場で可能な合理的配慮を支援員が代弁して促してくれたりします。

  • 4.雇用条件の相談

    「体調が悪化して週5日通うのが厳しくなった」場合、出勤日数を会社の可能な範囲で減らすよう働きかけてくれるなど、交渉をサポートしてくれたりします。

他にも「今後のキャリア(転職等)の相談」なども可能です。

ガイドさん

もちろん、就職者側の要望が何でも通るわけじゃないけどね。

就労移行支援事業所の支援員は、就職前から

  • 障害者雇用に対する社内理解のための情報提供
  • 本人に合った業務選定/開発
  • 施設/設備の改善支援

など企業側へ働きかけを行ってくれたりもします。

生活面での支援

睡眠、食事、通院、金銭管理‥など、多くの面で就職者の悩みに応え、サポートしてくれます。

必要なら、家族、医療機関、市区町村、他の支援機関などとも連携を行います。

  • 1.生活習慣の確立

    睡眠時間や食生活の記録を付け、アドバイスをもらったり、体調悪化の原因や対策を一緒に考えてくれたりしてくれます。

  • 2.私生活の人間関係

    家族や友人、近所づきあいなど、私生活の人間関係の相談に乗ってくれることもあります。ストレスがたまらないよう吐きだせたり、客観的な意見をもらえたりします。

  • 3.通院、服薬管理

    通院に同行&説明して、主治医から専門的なアドバイスをもらったり、企業側へ必要な情報を共有しておいてくれたりします。

他にも「余暇活動の充実」「地域活動の参加」「家事の悩み」など、相談に乗ってもらえることがあります。

相談は面談や電話・メール

定期的または随時、面談・電話・メールなどの方法で相談可能です。

面談の場所は「職場」または「就労移行支援・就労定着支援事業所」、メンバーは「スタッフと利用者」または「企業担当者」も含めた三者で行います。

就職者との相談方法

就労移行支援事業所の定着支援での就職者との相談方法グラフ

※就労移行支援事業所の就職後6か月までのデータ。

※いずれかの相談方法を取っている事業所の割合を表しています。複数回答可。

※参照:平成30年度障害者総合福祉推進事業

月に1回以上の対応が多い

相談への対応頻度は「月に1回以上」が最も多いようです。

事業所のサポートの手厚さや、支援を受けている就職者の状況(悩みの多さなど)によっても異なります。

相談対応の頻度

就労移行支援事業所の定着支援の相談対応頻度グラフ

※就労移行支援事業所の就職後6か月までのデータ。

※参照:平成30年度障害者総合福祉推進事業

上記は就職後6か月までのデータですが、就職したら時間が経つにつれて相談頻度も低くなっていくのが一般的です。

ヤンネコ

だんだん自立していくんだね。

支援施設によっては、その後何年も支援を続けてくれることがあるよ。

卒業生のOBOG会が行われることもあるよ。

ガイドさん

同じ担当者が支援してくれる?

約7割の施設では、就職前と同じ支援員が担当してくれます。

特定の担当者を定めていない場合もあります。

ヤンネコ

就職準備段階でも、個別の担当者が付く就労移行支援事業所と、そうじゃない事業所があるよね。

なじみのあるスタッフだったら、特に相談しやすいね。

定着支援って本当に意味ある?

A君

定着支援って本当に意味あるの?

職場定着支援は効果があります。

2017年の調査研究(※1)でも「支援機関の定着支援ありのほうが定着を促進する」という分析結果が出ています。

※1:短期的な定着を促進する要因(精神障害者・発達障害者)|参照:障害者の就業状況等に関する調査研究(障害者職業総合センター)

定着支援の有無による定着率の違い

定着支援ありの場合、1年後の定着率は73.2%、定着支援なしの場合、1年後の定着率は52.6%です。

この調査結果は、就労移行支援事業所以外の支援機関も含んでいる点などに注意が必要ですが、定着支援自体は一定の効果を上げているようです。

就職後に退職・休職したらどうなる?

通算2年の利用期間を使い切っていなければ、就労移行支援事業所を再利用できます。

一度就職して退職した場合は、市区町村の判断で、これまでの利用期間がリセットされ、再チャレンジできる可能性もあります。

ガイドさん

条件を満たしていれば、休職中でも就労移行支援事業所を再利用できる可能性があるよ。

最終的な利用可否の判断は市区町村が下します。市区町村ごとに判定が違う場合があるので、気になる方は障害福祉課へご確認ください。

最後に‥

当記事をまとめてみました。

  • 辞めた後は「就職」「在宅」「B型事業所」が多い
  • 7割以上の就職者が定着支援も受けている
  • 就職後6か月は就労移行支援の定着支援、その後は就労定着支援
  • 定着支援は「就業面」「生活面」の両方
  • 定着支援は効果あり
ヤンネコ

卒業後も、多くの人は無料で支援を受け続けられるのはいいよね。

就労移行支援事業所としても定着率を上げたいので、就職後の定着支援には力を入れているよ。

ガイドさん

当記事がお役に立ったなら幸いです。

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