就労移行支援

就労移行支援事業所とは?超わかりやすく解説!

ヤンネコ

就労移行支援ってなに??

今すぐ就職するのが難しい人のための国の就労支援だよ。

主に「障害者や難病を持った人」を対象にしていて

93.7%の人が無料で利用しているよ。

ガイドさん

就労移行支援事業所とは、わかりやすく言えば「一人で就職できない障害者のための就職支援施設」です。

スタッフ(職員)に就職までの1人1人に合った計画を立ててもらい、訓練やサポートを受けながら就職を目指していきます。

障害や難病を持った方たちが、主な対象です。

障害なしのグレーゾーンの方でも、医師に意見書を書いてもらえれば利用できます。

就職したことがない人、再就職を目指す人、どちらも利用できます。

週1日~5日ほど通い、数か月~2年ほどかけて、就職を目指す流れになります。

  • どんな支援をしてくれるのか?
  • どんな訓練内容なのか?
  • 利用料金はいくらか?
  • 利用するにはどうすればいいか?

など、できるだけわかりやすく解説しました。

流し読みでも構いません。

知っておくべき全知識を1記事にまとめてあります。

あなたの社会復帰にきっと役立つはずなので、よかったら最後までお読みください。

当サイトの情報は記事執筆時点で収集したものです。厚生労働省等の情報を参考にしていますが内容を保証するものではありません。詳しくは各自治体や事業所等へお尋ねください。

就労移行支援とは?わかりやすく解説!

就労移行支援とは「障害や難病を持つ人が受けられる国の就労支援サービス」です。

就労移行支援を行う施設を「就労移行支援事業所」といいます。

都道府県や市から許可をもらった事業所が、障害者の就職をサポートしてくれます。

  • 精神障害者
  • 発達障害者
  • 身体障害者
  • 難病を持つ人
  • その他、医師が適切と判断した人

が利用できます。

基本的には、医師の診断書等が必要です。後で詳しく解説します。

はじめに書いた通り、週1日~5日ほど通いながら、数か月~2年ほどかけて就職を目指します。

1日の利用時間は2~6時間ほどで、多くの人は無料で利用できます。

1事業所あたり、数人~数十人の利用者がいますが、20人以下の少人数が一般的です。

就労移行支援事業所1つあたりの利用者数
1事業所あたりの利用者数

※上のグラフは無回答0.2%を無視しています。

※参考:障害者総合福祉推進事業

全国に3,000事業所以上!4万人以上が利用中!

就労移行支援の利用者数

就労移行支援事業所の利用者数推移

※参考:厚生労働省(社会福祉施設等調査)

就労移行支援の利用者数は40,288人です(※)。

年々、利用希望者が増えている人気の就労支援サービスといえます。

全国の事業所数は3,301です(※)。

※いずれも令和2年データ

通う事業所は自分で選べます。

ガイドさん

例えば、ココルポートやミラトレは、関東・関西・中部・九州を中心に多数の事業所があるよ。

ココルポートは「昼食無料&交通費支給あり」、ミラトレは「就職率85%、定着率90%(6か月後)」だよ。

↓ココルポートをさらに詳しく
ココルポート評判・支援内容・就職実績

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ミラトレの評判・支援内容・就職実績

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支援内容

できることやサポート内容は、以下の通りです。

  • PCスキルなど専門スキルを高める訓練
  • ビジネススキルを高める訓練
  • コミュニケーション能力を高める訓練
  • 障害を理解し必要な配慮を伝える訓練
  • 職場実習
  • 独自求人の紹介
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 就職に関する相談
  • 面接練習
  • 面接同行
  • 就職後の定着支援

事業所によって支援内容は異なります。上記は一般的な例です。

障害配慮を受けながら、就職(+職場定着)支援に特化したサポートが受けられるのが大きな特徴です。

就労訓練プログラムには

タイピング、Word/Excel、Web制作、プログラミング、農作業、清掃、接客、軽作業

など、事業所によって様々なものが用意されています。

事業所によって活動内容が違うため

  • どんな支援が自分に必要か?
  • 希望する支援をその事業所で行っているか?

が事業所選びでの1つのポイントなので、覚えておきましょう。

事業所によっては、ヨガ、ゲームコミュニケーション、お金の管理講座などユニークなイベントを行っているところもあります(自由参加)。

メリット/デメリット

「障害配慮を受けながら就職を目指せる」のが就労移行支援の特徴であり、大きなメリットです。

就労移行支援事業所には、やさしいスタッフが多くいます。

ヤンネコ

できないことを「やれ」と言われたり、厳しくされたりするのは、きついよね。

メリット

・就職しやすい

・就職後に仕事が長続きしやすい

・生活リズムができる

・社会に居場所ができる

・友達ができる

・コミュニケーション能力が上がる

・日中活動の体力がつく

・障害症状への対処能力が上がる

・独自求人を紹介してもらえる

・職場実習を受けられる

・就職の相談相手ができる

・就職後もサポートを受けられる

サービス内容は施設ごとにも異なります。上記のメリットがどの施設にも当てはまるわけではありません。

自分が障害者であることを相手が受け入れたうえで、対応してくれるのはありがたいですよね。

デメリット

・給料や工賃は基本なし

・アルバイトも原則不可

・原則2年の期限がある

一方、最大のデメリットは「お金がもらえない」ことです。

ガイドさん

「労働」ではなく「訓練」なので、当たり前なんだけどね。

アルバイトも原則禁止なので、利用中の生活費のめどは立てておきましょう。

就労移行支援事業所には原則2年の期限もあります。

後で詳しく解説します。

メリット・デメリットに関しては、以下記事もご覧ください。

↓最大のデメリットは「賃金なし」↓
就労移行支援の
デメリット・メリット
↓昼食無料&交通費支給!就職率85%など↓
おすすめ81選!
就労移行支援事業所

就労移行支援事業所の訓練内容

就労移行支援では、様々なプログラムが用意されています。

  • 社会スキル系

    コミュニケーション訓練、感情コントロール、運動プログラム、通勤訓練、障害理解、生活リズム安定、セルフケアなど

  • ビジネススキル系

    ビジネスマナー、電話対応/来客対応、タスク管理、履歴書の添削、敬語や報連相、面接練習など

  • 専門スキル系

    タイピング、Word/Excel、Web制作、プログラミング、デザイン、農作業、清掃、接客、調理、軽作業、簿記、ビジネス英会話など

  • 就活スキル系

    履歴書作成、職務経歴書作成、私の障害について(障害説明書)作成、職場実習、企業研究、面接対策など

社会スキルやビジネススキルを重視している事業所もあれば、専門スキルの習得に特化した事業所もあります。

訓練内容やレベルは事業所ごとに大きく異なるので、「どんなカリキュラムか?」「誰が教えてくれるのか?」などをよくチェックしましょう。

資格取得もできる

事業所によっては資格が取れます。

WordやExcelなどのMOSがとても人気ですが、もっとレベルの高い資格を受験できる事業所もあります

なかには80種類以上の資格に対応しているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。

プログラミングなどIT特化型の事業所もある

昔は就労支援施設での作業といえば、誰でもできるような単純作業が大半でした。

そのため一部では「レベルが低い」という評判もありましたが

現在はITやデザインなどクリエイティブな訓練を行う事業所も増えています。

IT特化型の事業所もいくつかあり

  • Webデザイナー
  • プログラマー/エンジニア
  • データサイエンティスト
  • 動画クリエイター

などを目指すことも可能です。

もちろん、ただ通っていればスキルが身につくわけではなく、高度なスキルを身につけるには自発的な努力も必要です。

就労移行支援を卒業してフリーランスとして活躍する人もいます。

在宅訓練/オンラインも一部の事業所で可能

以前はリモートで訓練を受けるには厳しい条件があったのですが、現在は「働き方の多様化」や「コロナ」の影響で、条件が緩くなりました。

厚生労働省の資料によると、令和2年には

全体の約3分の1の事業所で、在宅型の訓練が行われている

とのことです。

在宅訓練(オンライン訓練)している就労移行支援事業所の割合
在宅訓練している事業所割合

※在宅訓練を行っている事業所の中でも許可されるのは一部の利用者です。

※参考:厚生労働省(障害者総合福祉推進事業)

まだ多くはありませんが、これらの事業所では通所が困難な方でも就労移行支援を受けられます。

対人恐怖が強い人にもおすすめです。

卒業後に在宅ワーク/テレワークという働き方をする人たちもいます。

↓在宅訓練の対象者や受け方も↓
在宅訓練できる
就労移行支援事業所10選

就職までのスケジュール

入所してから就職するまでの一般的な流れを紹介します。

  • 1.入所

    見学や体験利用をしてから入所します。

  • 2.訓練&サポート(3か月~1年半)

    1人1人の支援計画に沿って訓練を行います。

  • 3.職場実習(数日~数か月)

    興味のある企業に通って、実際の仕事を体験します。

  • 4.求人探し

    ハローワークへ行ったり、インターネットで検索したり、スタッフから求人を紹介されたりして求人を探します。

  • 5.応募&面接

    自分に合った求人が見つかれば、履歴書などを作成し、応募します。

  • 6.就職

    就職した後も、長く働き続けられるよう定着支援を受けられます。

事業所によっては職場実習がなかったりなどの違いがあります。期間はあくまで目安です。

ハローワークは就労移行支援事業所に通いながら利用可能です。

応募しても就職できなかった場合は、「求人探し」→「応募」を繰り返します。

落ちた原因を分析して、訓練内容の調整を行うこともあります。

訓練は就活中も受けられます。

就職活動中は

  • 独自求人の紹介
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • ハローワークや就職説明会への同行
  • 面接同行
  • 面接対策
  • 就職先の相談

などのサポートが受けられます。

支援内容は事業所によって異なります。

職場実習とは

多くの就労移行支援事業所では、就活前に実習先を手配してくれます。

職場実習とは、実際に一般企業で働く体験のことです。

企業インターンや企業実習と呼ぶ人もいます。

短い場合は3日ほど、長い場合は半年くらいです。

就活をせずに職場実習を終えて、そのまま実習先の企業に就職する人もいます。

就労移行支援事業所の就職実績と定着支援

就労移行支援は「就職」と「職場定着」に強い支援です。

  • 就職先
  • 就職者数と就職率
  • 就職後の定着率
  • 定着支援

を解説します。

定着支援とは、「就職後の仕事を長続きさせるための支援」です。

就職先

就労移行支援の卒業生たちは様々な業種へ就職します。

全体的には「事務」「販売/サービス」「生産」などが多い傾向にあります。

↓職種の例

  • 事務職

    経理、労務、人事、財務、総務など

  • 清掃

    ビルや施設、ホテルの清掃など

  • 医療、介護

    障害福祉施設や介護施設の職員など

  • 接客、販売

    スーパーや飲食店での接客、販売、調理など

  • 物流

    輸送、配送、倉庫内での軽作業など

  • 製造

    工場での生産作業、組み立て/検品、技術職など

  • IT

    プログラマー、Webデザイナー、動画編集者など

  • その他

    警備員、農業、漁業

日本郵便、アイリスオーヤマなどの有名企業から、中小企業、官公庁まで、企業規模も様々です。

特に大手の就労移行支援事業所は、大企業をはじめとした多くの企業とパイプを持っているので、就職先の幅も広がります。

過去にその事業所から就職した人がいる就職先を紹介されることもあります。

見学の際には、過去の利用者がどんな企業へ就職したかもスタッフに聞いてみるとよいでしょう。

就職者数と就職率

就労移行支援の就職者数

就労移行支援事業所の就職者数グラフ

※参考:厚生労働省(社会福祉施設等調査)

2019年時点では、年間13,288人が就労移行支援事業所から就職しています。

就職者数は年々増え続けています。

ただし、就職率(一般就労移行率)は、事業所によって大きな差があるので注意が必要です。

就職率40%以下の事業所もあれば、80%以上の事業所もあるので、事業所選びは慎重に行いましょう。

↓就職率の高い施設の特徴5つも↓
就労移行支援の就職率平均は?

就職後の定着率

就職1年後の定着率

障害者全体と就労移行支援事業所の就職後1年の定着率比較グラフ

※参考:障害者職業総合センター(調査研究報告書)

就労移行支援事業所は、定着率が非常に高いのも特徴です。

つまり、就労移行支援事業所から就職した人は「仕事が長続きする」のです。

定着率が非常に高い3つの理由

定着率が圧倒的に高い理由は、就労移行支援ならではのサポートにあります。

就労移行支援事業所に通うと・・

  • 1.自身に必要な障害配慮を職場に伝えられるようになる
  • 2.職場でのトラブル対処法が身につく
  • 3.定着支援により就職後も相談できる

などのメリットがあります。

多くの支援が「就職」までしか考えられていないのに対し、就労移行支援は就職の先の「定着」まで考えられているのです。

就職後の定着支援

事業所にもよりますが、就労移行支援事業所から就職した人は、就職後も支援を受けられます

仕事を長続きさせるための支援です。

就職者の相談に乗ったり、企業側と間に入って対応してくれたりします。

ちなみに「就労移行支援の定着支援」と「就労定着支援」は別物です。

  • 就労移行支援の定着支援

    事業所にもよるが、一般的に就職後6か月前後まで。就労移行支援事業所が行う。

  • 就労定着支援

    就職後6か月経った後、7か月目から受けられる。就労定着支援を行っている施設が行う。

↓定着支援の詳しい内容は、以下をご覧ください。

↓大手/中堅5社の定着率比較も!↓
就労移行支援の定着支援

就労移行支援事業所の利用条件や対象者

主な対象者は「精神障害、発達障害、知的障害、身体障害または難病」を持つ65歳未満の方です。

障害なしのグレーゾーンの方でも、医師に意見書を書いてもらえれば利用できます。

65歳以上でも条件によっては利用できます。

就労移行支援の対象者(例)

・高校や大学を卒業したが、1回も就職したことがない

・就労の経験はあるが、長続きせず現在は働いていない

・一般就労していたが病気になり退職した

・特別支援学校を卒業した

2年の期限があるので、病状が少し落ち着いてから利用するとよいでしょう。

週1日から通えるところもあるので、主治医と相談してみてください。

ガイドさん

「働きながら」「休職中」「大学生」など、利用条件については、以下の記事も見てみてね。

↓失業保険や生活保護との併用は?↓
就労移行支援の利用条件

障害福祉サービス受給者証とは

障害福祉サービス受給者証の見本
引用元(右の画像):https://www.pioneer-jimuki.com/products/262.html/

就労移行支援事業所に通うには「障害福祉サービス受給者証」というものが必要です。

障害福祉サービスを受けるために必要な証明書のようなものです。

一般的には事業所を選んでから市町村に申請します。

窓口の人が案内してくれるので、難しくはありません。

どんな人が利用している?

就労移行支援事業所の利用者の障害種別割合グラフ
利用者の障害種別の割合

※発達障害者は「知的」「精神」いずれかに含むと考えられます。

※参考:厚生労働省(障害保健福祉部 障害福祉課)

最も多いのが精神障害者です。

昔は知的障害者が多かったのですが、近年は精神障害者が増えています。

直前まで一般就労していた人や、過去にデイケアに通っていた人も多くいます。

ガイドさん

発達障害者向けの就労移行支援事業所も増えているよ。

自身の障害を他の利用者に言う必要はありません。オープンにしている人もいますが・・。

利用者の年齢層は10~60代まで幅広い

就労移行支援事業所の利用者年齢層グラフ
利用者の年齢層

※参照:厚生労働省(社会・援護局障害保健福祉部)

一番多いのは20代ですが、30歳以上の利用者も半数以上います。

学校卒業したての人から、何十年も一般企業で働いてきた人まで様々な背景を持った方が通っています。

向いている人/向いていない人

就労移行支援事業所が向いている人、向いていない人は以下の通りです。

向いている人

・がんばれば2年以内に就職できそうな人

・給料がなくても半年~2年の生活ができる人

・早めに就職したい人

・就職後も仕事を長続きさせたい人

・社会人経験がない人

・社会人経験はあるが一人での就活が難しい人

向いていない人

・給料以外で生活費を確保できない人

・就職する気のない人

・自力ですぐに就職できる人

・症状が重く就職の準備段階ではない人

就労移行支援が合わない人もいるので、上記を参考によく検討してみてください。

利用者のなかには「他の人とたくさんしゃべりたい人」「誰とも話さず1人でいるのが楽な人」など様々な人がいます。

障害者手帳なしでも利用できる

基本的には、就労移行支援サービスは障害者手帳なしでも受けられます。

障害者手帳を「取得していない人」「取得できなかった人」、いずれも就労移行支援を利用できる可能性があります。

以下のいずれかで障害や疾患を証明できれば、障害福祉サービス受給者証は発行可能です。

  • 障害者手帳
  • 障害年金証書
  • 自立支援医療受給者証
  • 医師の意見書(診断書)
  • 特別支援学級/特別支援学校の利用実績

ただし‥

身体障害者の場合は手帳が原則必要だったり、精神障害や発達障害の場合でも市町村によっては手帳が必須だったりなどの例外があります。

300以上の対象難病に当てはまる方は、障害者手帳なしでも利用できます。

詳しくはお住いの市町村の障害福祉課へお問い合わせください。

休職中や働きながらの利用

就労移行支援は基本的には「一般就労していない人」が対象です。

しかし、休職中に利用できる人も割と多く、働きながら利用できるケースも0ではありません。

在職中の利用例は多くはありませんが、気になる方は、お住いの市町村障害福祉窓口へお尋ねください。

ガイドさん

条件については、厚生労働省の資料を参考に以下で解説しているよ。

詳しい内容を知りたい方は、以下もご覧ください。

↓在職中でも利用できる人は?↓
休職中・働きながら
就労移行支援は利用可能?

18歳未満、障害児の利用

就労移行支援は何歳から利用できるのでしょうか?

実は18歳未満でも15歳以上なら、利用できることがあります。

児童相談所または精神保健福祉センターが認めた場合、就労支援サービスを受けられます。

引きこもりや無職/ニートでも大丈夫

引きこもりや無職、ニートの方にも、就労移行支援事業所はおすすめです。

  • 社会参加のハードルが低い
  • 生活リズムが整う
  • 家族からのプレッシャーが弱まる
  • 引きこもり脱出のきっかけになる

などのメリットがあります。

就労移行支援事業所の平均利用期間や期限

厚生労働省の資料によると

就職するまでの平均利用期間は1年4か月です。

ただし・・

  • 本人の努力
  • 障害や病状
  • 事業所の実力

などによって、利用期間は大きく左右されます。

最短「2~3か月で就職できた」という口コミもありました。

なぜ2年の利用期限があるの?

サービス利用の長期化を防ぐため、有効期間は原則2年までです。

この期間を「標準利用期間」といいます。

あえて期限を設定することで、利用者の就職意欲を高め、就活を促進させる狙いがあります。

2年過ぎたら?3年以上は可能?

原則は2年ですが、申請して審査に通れば3年目以降の延長が可能です。

延長を希望される方は、お住いの市町村障害福祉窓口へご相談ください。

一生に一度しか利用できない?

期間内なら2回目以降の利用が可能です。

2年過ぎて期限切れになっても、条件を満たせばリセットできる可能性があります。

期間がリセットされれば、再利用可能(+2年)です。

一生に一度ではありません。

市町村によって条件や対応にばらつきがあります。

就労移行支援事業所の利用料金

障害福祉サービスの利用料金は収入によって変わりますが、多くの人が無料で利用しています。

就労移行支援では93.7%の人が無料で通っているというデータもあります

本人と配偶者(妻、夫)の収入によっては、利用料金が掛かることもあるので注意してください。

就労移行支援の自己負担額
世帯(本人+配偶者)自己負担上限
1市町村民税が非課税0円/月
2市町村民税が課税(年収約600万円以下)9,300円/月
3上記以外37,200円/月

※本人が18歳未満の場合は、保護者の属する住民基本台帳での世帯となります。

※課税年収は目安です。自治体により異なります。

※入所利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は市町村民税が課税されている場合、2ではなく3になります。

※参照:厚生労働省(障害者の利用者負担)

自己負担上限額とは「多くてもこれだけの料金しか掛かりません」という上限です。

利用料自体は1日ごとに発生しますが、収入に応じて毎月請求される上限額が変わる仕組みです。

前年に収入がある方は注意!

市町村民税は、前年の収入により計算されます。

現在は無収入でも、前年(または一昨年)1月~12月に所得があり住民税が課税されていれば、利用料が必要です。

申請の時期によっては一昨年の収入で計算されることもあります。

ガイドさん

「無料になる年収目安」や「利用者負担額が決まる仕組み」の詳細は以下を見てみてね。

↓前年?一昨年?いつの年収?↓
無料になる目安の年収は?

↓年収や家族構成から、利用者負担の上限額を計算できるツール作りました!

↓入力するだけ!減免措置も↓
利用者負担額の計算ツール

昼食代は無料?

事業所によっては、無料の弁当が配られることもあります。

  • 施設内で無料弁当を食べる
  • 弁当を持ってくる
  • 昼休憩中に買いに行く
  • 外食する

などのパターンがあります。

一部の自治体では、昼食代の補助が出るところもあります。

↓昼食提供ありの事業所は何割?↓
昼食無料のおすすめ事業所

交通費の補助

事業所や自治体によっては、交通費の補助があります。

お住いの市町村や、気になる事業所をぜひチェックしてみてください。

例えばココルポートでは「上限1万円/月」の助成を行っています。

事業所によっては、駅からの送迎サービスもあります。

就労移行支援事業所を利用中の生活費

就労移行支援を利用する前に、生活費のめどを立てておきましょう。

少数ですが、一人暮らしやグループホームを利用している人たちもいます。

↓一人暮らししながら通う方法は?↓
一人暮らしの利用者は何%?

給料や工賃は、基本的になし

基本的には、就労移行支援事業所で訓練を受けてもお金はもらえません。

「働く場所」ではなく「訓練を受ける場所」だからです。

なので・・

貯金や家族からの援助、その他の収入が何もない方は、生活できなくなるので注意しましょう。

「工賃」という形で、月1~2万円ほど、お金をもらえる事業所もあります。

工賃をもらえる就労移行支援事業所は多くありません。事業所選びでは、訓練内容や就職実績なども総合的に考えて決めていきましょう。

↓工賃ありの事業所は何%くらい?↓
お金がもらえる事業所4選

アルバイトの併用は原則禁止

一般的には、アルバイトしながら就労移行支援などの就労支援サービスは利用できません。

就労支援サービスは「就職困難な障害者」を対象としているので、就労していると「支援の必要なし」とみなされるからです。

ただし、少数ですが市区町村の判断で許可されるケースもあります

↓バレる原因!収入はいくらまで?↓
アルバイトはバレる?
単発バイトもNG?

障害年金や失業保険、傷病手当金をもらいながら通える

障害年金や失業保険、傷病手当金をもらいながらでも、就労移行支援事業所は利用できます。

担当者や健康保険組合等によって判断が異なる可能性もあります。詳しくは各窓口へご連絡ください。

就労移行支援を使い始めたからといって、障害年金が不支給になることはありません。

もし不支給になったとすれば、別の原因が考えられます。

傷病手当金は条件を満たせば、退職後ももらい続けることができ、退職後からもらい始めることも可能です。

生活保護でも通える

生活保護を受けながらでも就労移行支援は利用できます。

生活保護受給世帯の場合、利用料は無料です。

ガイドさん

障害年金や失業保険、傷病手当金、生活保護については、以下の記事で詳しく解説しているよ。

↓お金がもらえる制度など17個紹介!↓
就労移行支援を利用中の生活費は?

就労移行支援事業所の利用方法

一般的な利用の流れ(使い方)は以下の通りです。

事業所さえ決めれば、あとは市町村の障害福祉課へ行き、案内に従って手続きするだけなので難しくはありません

  • 1.事業所の見学/体験利用
  • 2.事業所の決定
  • 3.市町村の障害福祉課へ申し込み
  • 4.認定調査
  • 5.サービス等利用計画案の作成&提出
  • 5.事業所と利用契約
  • 6.利用開始

就労移行支援を受けるには、障害福祉サービス受給者証が必要なので、市町村への申請が必要です。

受給者証は申請から1週間~2か月ほどで発行されます。

なかには、市町村への連絡や手続き同行を行っている就労移行支援事業所もあります。

ガイドさん

利用方法の詳細は、以下で解説しているよ。

↓受給者証の申請方法・持ち物など↓
就労移行支援の利用方法

就労移行支援事業所の探し方/選び方

事業所選びは非常に大切です。

事業所によって「就職のしやすさ」や「スタッフの質」が大きく異なるためです。

慎重に行いましょう。

事業所の4つの探し方

  • インターネット

    WAMNETを利用したり、Google検索等で「〇〇市 就労移行支援事業所」などと検索すれば探せます。

  • 市役所の窓口

    市役所や町村役場によっては障害福祉窓口で事業所一覧をまとめたリストがもらえることもあります。

  • ハローワークの窓口

    ハローワークは地域の就労移行支援事業所と連携しているので、どんな事業所があるのか把握していることが多いです。一般の窓口ではなく、障害者専用窓口へ行きましょう。

  • 相談支援事業所

    障害サービスの利用をサポートしてくれる機関です。相談員に事業所を紹介してもらったり、一緒に探したりできます。地域にある特定相談支援事業所との利用契約が必要です。

良い事業所を選べば「行ってよかった」と思えるでしょう。

事業所選びのポイント7つ

  • 1.通う前に目的と目標を決める
  • 2.無理なく通える距離にある
  • 3.対象障害に当てはまる
  • 4.訓練内容が自分に合っている
  • 5.事業所の雰囲気が良い
  • 6.就職実績がある
  • 7.スタッフに障害理解がある

事業所によっては、対象障害を限定しているところもあります。

就労移行支援の探し方・選び方で、さらに詳しく解説します。

市外や県外の事業所でもOK

良い事業所が、自分の住んでいる市町村内になくても心配いりません。

市外や県外の就労移行支援事業所も利用できます。

特別な手続きは必要ありません。

県内の事業所に通うのと同じです。

受給者証の申請は、自分が住んでいる市町村のほうで行います。

ガイドさん

事業所選びは超大事!

以下の記事を参考にして、後悔しない選択をしよう。

見学は2~3か所行くことをおすすめします。

↓39のチェックリストも紹介!↓
失敗しない!
就労移行支援事業所の選び方

まとめ

長い記事でしたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。

当記事で、就労移行支援を利用するための、一通りの概要は説明しました。

「就労移行支援なんかいいなぁ・・」と思った方は、興味のある事業所の見学をしてみましょう。

お役に立てたなら幸いです。

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