就労継続支援A型

就労継続支援A型はどんな人が通える?向かない人や対象者の例

ヤンネコ

就労継続支援A型事業所はどんな人が通える?

一般就労できない障害者や難病患者たちだよ。

ガイドさん

就労継続支援A型事業所(A型作業所)の対象者は「障害や難病を抱えており、一般就労は難しいが、支援を受ければ雇用契約を結んで働ける人」です。

一般就労とは一般企業やNPO、官公庁などに所属したり、自営業を行ったりすることを指します。アルバイトなどの非正規雇用も含みます。

精神障害者、発達障害者、知的障害者、身体障害者のほかに、対象の難病を持つ人も利用可能です。

わかりやすく言えば「障害や病気があって、一般企業などでは続かなかったり就職できなかったりしたけど、症状への配慮をもらえれば働ける人たち」が対象です。

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利用条件や対象者の例

以下いずれかの条件に当てはまる障害者・難病患者で、週3~5日、1日4~6時間ほど働ける人なら、A型事業所を利用可能です。

就労継続支援A型の利用条件

・就労経験(※1)はあるが現在は働いていない

・特別支援学校を卒業して就活したが雇用に結びつかなかった

・就労移行支援を利用したが雇用に結びつかなかった

※1:パート、アルバイト、派遣社員、契約社員など非正規雇用の職歴でもOK。

参考:厚生労働省「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」

「引きこもっていた人」「一般企業を辞めた人」「精神科デイケアに通っていた人」「医者から勧められた人」などが多く通っています。

職歴は必須ではありませんが、職歴のない人は就活した経験や、就労移行支援の利用経験が必要です。

A型事業所の対象者に当てはまらない人は「就労移行支援」や「就労継続支援B型」がおすすめです。

↓就労移行支援と就労継続支援の違い
就労移行支援と就労継続支援A型B型の違い!評判や口コミも

A型事業所はB型事業所と比べて、比較的軽度の障害者が多く働いています。

しかし、障害や病気の重さだけで利用可否は決まりません。A型事業所には精神障害者保健福祉手帳1級など、重度の障害を持つ人もいます。

就労移行支援や就労継続支援B型から、就労継続支援A型に移る人もいます。

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年齢制限は?何歳から何歳まで?

就労継続支援A型の年齢制限は「原則18歳以上65歳未満」ですが、条件を満たせば18歳未満や65歳以上でも働けます(詳細は以下)。

障害者手帳は必要?健常者は?

就労継続支援A型事業所(A型作業所)は、基本的に障害者手帳なしでも利用可能ですが、身体障害者の場合は原則必要です(※1)。

※1:ごく一部の自治体では精神障害者、知的障害者、発達障害者でも「障害者手帳は必須」としています。一部の自治体では身体障害者でも、障害者手帳なしで利用可です。

障害者手帳がない場合、以下の書類等で「支援を受けることの必要性」が認められれば、利用できます。

  • 医師の意見書/診断書
  • 自立支援医療受給者証
  • 障害年金証書
  • 特別支援学級/特別支援学校の利用実績

障害福祉サービスでは市区町村ごとに対応が異なることもめずらしくありません。多くの市区町村では上記の書類でも認められますが、不安な方はお住いの自治体にご確認ください。

全くの健常者は利用できませんが、グレーゾーンなど障害か微妙な人でも医師の意見書次第ではA型事業所を利用できることもあります。

診断は必須要件というわけではありません。

意見書を書いてもらえなかった場合は、別の病院へ行ってセカンドオピニオンを求めるのもよいでしょう。医師によって判断が異なるケースもあるためです。

就労継続支援A型はどんな人に向いている?

就労継続支援A型は、以下に当てはまる人に向いています。

A型事業所に向いている人

・アルバイト並みの給料が欲しい人

・一般企業等で働くのは難しいが、簡単な作業なら可能な人

・1日4~6時間、週3~5日なら安定して働ける人

就労継続支援A型は障害福祉サービスの中で唯一、給料(月額7万~10万円)がもらえます(※1)。

そのため「仕事がつらくて辞めたい(または辞めた)。でも収入がないと生活できない‥。」と悩んでいる人にもおすすめです。

A型事業所の給料と障害年金で一人暮らししている人もいます。

※1:A型事業所では最低賃金が保証されます。都道府県ごとに大きく平均が異なりますが、全国平均は月額81,645円(令和3年度)です。

その他「引きこもりから抜け出したい!」「スキルを身につけたい」「生活リズムを整えたい」「コミュニケーション障害を改善したい」といった人にも向いています。

近年は「Webデザイン」や「プログラミング」「イラスト/デザイン」など、クリエイティブスキルを本格的に学べる作業所も増えてきました。

筆者の体験談

実は筆者も、障害者として7年間、A型事業所に通っていました。はじめは非常に対人恐怖が強く、まともなコミュニケーションが取れなかったのですが、作業所に通うことでかなり改善しました。うまくしゃべれなくても一般企業のように怒られたり責められたりすることもなく、似た境遇の他の利用者たちとも交流する中で、少しずつ自己肯定感が育まれていきました。施設にもよるかもしれませんが、コミュニケーションに悩みを抱える方にもおすすめできます。

就労継続支援A型はどんな人に向いていない?

以下に当てはまる人は、就労継続支援A型にあまり向いていません。

A型事業所に向いていない人

・すぐに就職したい人

・就職支援してほしい人

・週3~5日の安定した通所ができない人

就労継続支援A型は就職支援がメインではありません。

就職支援を行っているA型事業所もあります。

「すぐに就職したい人」や「就職支援してほしい人」は、就労移行支援がおすすめです。

ただし、A型事業所から一般就労する人も25.1%(4人に1人)おり「すぐじゃないけど将来的に就職を考えている人」は就労継続支援A型もありです。

また、A型事業所では雇用契約を結ぶので「安定した通所」を求められることが多くあります。

安定した通所に自信がない人は「就労継続支援B型」を検討しましょう。

必要な通所日数は施設による

「週何日/1日何時間働けばいいか?」は通う施設によって違います。A型事業所なら基本的には週5日、1日4~6時間の通所を求められることが多いです。しかし、実際には施設のスタンスによっても許容範囲が異なります。欠勤や遅刻/早退に厳しい施設もあれば、週1~3日や体調不良による長期休暇があってもクビにならず、寛容的な対応を取る施設もあります。気になる施設があれば口コミや評判を確認しておきましょう。

まとめ

A型事業所の対象者まとめ

・就労継続支援A型の対象者は「『仕事を続けられない』『就活がうまくいかない』など一般企業等で働くのは難しいが、配慮があれば1日4~6時間/週3~5日働ける障害者・難病患者」

・精神障害、発達障害、知的障害、身体障害のほか対象の369疾患の難病も含む(※1)

・B型事業所に比べれば、比較的軽度の障害者が多いが、重度障害者が通うケースもある

・自治体にもよるが基本的には身体障害者以外は障害者手帳なしでも通える

・グレーゾーンの人なども医師の意見書次第では通えることもある

・一般就労は難しいが「アルバイト並みの給料が欲しい」「簡単な作業ならできる」といった人に特におすすめ

「A型事業所に通いたいな‥」と思った方は、お近くの施設を探して、口コミや評判をチェックしましょう!

施設によって雰囲気や作業内容は全然違うので、2~3施設は見学するのがおすすめです。

就労継続支援A型が対象外の方は「就労継続支援B型」や「就労移行支援」も検討してみましょう。

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