就労定着支援と就労移行支援の違いは?
就労定着支援は「仕事を長続きさせるため」の就職後の支援、就労移行支援は「一般就労や復職を目指すため」の支援だよ。
就職後6か月までは、就労移行支援事業所などが職場定着支援を行うよ。
「就労定着支援」も「就労移行支援」も、障害者総合支援法で定められた公的な障害福祉サービスです。
障害者なら、多くの人が無料でサービスを受けられます。
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就労定着支援と就労移行支援の違いのほかに‥
- 「就労移行支援の定着支援」と「就労定着支援」の違い
- 定着支援の具体的な内容
- それぞれのサービスの利用方法
- 休職、転職、雇用形態に関するQ&A
なども解説します。
違いをよく理解して、自身にあった就労支援サービスを見つけましょう。
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就労定着支援と就労移行支援の違い
「就職支援+就職後6か月までの職場定着支援(※1)」が就労移行支援、「就職後7か月目からの職場定着支援」が就労定着支援です。
多くの就労移行支援事業所では、就労定着支援サービスも行っており、利用者は就職後7か月目からも同じ事業所から定着支援を受けられます。
就労定着支援を受けるか否かは自由だよ。
1.就労定着支援とは?
就労定着支援とは「一部の障害福祉サービスを経て就職した後、6か月を超えて就労定着している障害者」が受けられる職場定着支援です。
- 仕事や生活の悩み相談
- 就労支援員の働きかけよる職場環境の調整
など、快適な職場生活をサポートするための支援が受けられます。
就職後6か月までは、就職前から支援を受けきた就労移行支援事業所や、就労継続支援事業所から定着支援を受けることになっています。
事業所にもよるけど、一般的には就労継続支援より、就労移行支援のほうが、就職後の定着支援が手厚いよ。
詳しい支援内容は、後で解説します。
↓就労移行支援と就労継続支援の違い
就労移行支援と就労継続支援A型B型の違い!評判や口コミも
就労定着支援を利用できる期間は?
就職後6か月経ってから利用でき、最長3年まで支援を受けられます。
障害福祉サービス受給者証は、1年ごとに更新が必要です。
就職後3年6か月まで、定着支援が受けられるんだね。
就労定着支援の利用料金は?
利用者の所得に応じて利用料金(利用者負担上限額)が決定されます。
前年または前々年の市町村民税が、非課税の場合は「無料」で利用可能です。
利用者負担額の計算方法は、障害福祉サービス全体で共通しているよ。
↓以下の記事で「自身の利用者負担上限額」を年収から自動計算できます。
就労定着支援の対象者は?
就労定着支援の対象者は「就労移行支援、就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練の利用を経て就職した障害者」で、かつ「就職後6か月を超えて仕事が続いている人(就労定着者)」です。
上記の障害福祉サービスを利用して就職したわけではない場合、対象外となります。
休職中に上記の就労移行支援等を利用して復職した方は、就職後6か月経過したのち就労定着支援を利用可能です(※1)。
2.就労移行支援とは?
就労移行支援では「一人では就職が難しい障害者」に対して、就職・復職サポートを行っています。
主に就職前の支援ですが「就職後6か月の定着支援」も含めて、就労移行支援です。
体調に合わせて週1~5日通い、数か月~2年かけて就職を目指します。
PC訓練、コミュニケーション訓練、体調管理、ビジネスマナー‥など様々なプログラムがあるよ。
訓練内容や就職率は、施設によって大きく変わるよ。
詳しくは「就労移行支援とは?」や、以下の記事をご覧ください。
就労移行支援
就労移行支援の就職後6か月定着支援
就労移行支援から就職した場合、原則として就職後6か月(※1)まで職場定着支援を受けられます。
卒業後「すぐサヨナラ」じゃなくて、その後も支援を受け続けられるんだね。
支援内容は「就労定着支援」と大きな違いはないよ。
定期的に就労支援員と面談したり、電話やメールで随時相談できたり、支援員を仲介して職場へ環境改善を求められたり‥
など、利用者が仕事を続けやすいようサポートしてくれます。
就労移行支援事業所の定着支援のメリット
就労移行支援事業所による定着支援のメリットは「支援の質が高い」ところにあります。
実は、就労継続支援や自立訓練、生活介護を行う事業所にも、就職者への職場定着支援の「努力義務」があります。
あくまで「努力義務」だから、支援してない施設もありそうだね‥
就労移行支援の場合は「職場定着率」が事業所への報酬(給付金)へ大きく影響を与えるから、定着支援に力を入れている事業所は多いよ。
ノウハウも持ってるしね。
就労定着支援を行っている施設から就職した場合「自分をよく知るスタッフが、その後7か月目からも定着支援してくれる」というメリットがあります。
↓就労移行支援の定着支援の内容については、以下でさらに詳しく解説しています。
就職後6か月の支援内容
定着支援内容の具体例
体調が悪化したので、仕事時間を調整したい‥
職場の人間関係に悩んでいる‥
職場定着支援では、定期的な二者面談・三者面談や、電話やメールによる随時の相談から課題を拾い上げ、支援員が改善をサポートしてくれます。
支援員が職場と利用者の仲介役となり、円滑に環境改善等のサポートをしてくれるのが大きなメリットです。
支援内容の例
・相談したら業務内容が変わるよう働きかけてくれた
・対人関係や通勤の悩みを聞いてくれた
・雇用条件の見直しを一緒に行ってくれた
・職場へ障害説明してくれたので人間関係が楽になった
面談は職場、または障害者施設にて行われます。
相談対応の頻度は、毎週~数か月おきなど、人によって様々です。
仕事面だけでなく「家庭内の問題で悩んでいる」「朝早く起きられない」など、生活面の相談にも乗ってくれるよ。
必要なら、家族や医療機関、その他関係機関と連携を取ってくれるよ。
支援員は企業側の相談にも乗って、双方にとって心地の良い職場環境づくりを手伝ってくれます。
就労移行支援
それぞれのサービスの利用方法
いずれのサービスを利用する際も、障害福祉サービス受給者証が必要です。
就労定着支援の利用方法
就労定着支援事業を行っている障害者施設から就職した場合は、そのまま同一事業所のスタッフに「就労定着支援も受けたい」と依頼してみましょう。
事業所のスタッフが必要な手続きを案内してくれます。
多くの就労移行支援事業所では、就労定着支援も行っているよね。
別の事業所と契約することもできるけど、自分のことをよく知っている事業所に依頼するのがおすすめだよ。
就労定着支援を行っていない施設から就職した場合、自身で探したり、相談支援専門員に相談したりして探しましょう。
インターネット検索で「〇〇市 就労定着支援事業所」などと検索したり、WAMNETで探したりできます。
時間に余裕を持って依頼しよう
就労移行支援等を利用していた場合でも、別サービスとなる就労定着支援を利用する場合、新たに障害福祉サービス受給者証の申請が必要です。
サービス等利用計画案の作成など、受給者証の発行には時間がかかるため、利用予定の2~3か月前には事業所へ依頼しておきましょう。
「市区町村役場の障害福祉課で受給者証の申請手続き」+「事業所との契約」が必要だよ。
就労移行支援の利用方法
通いたい事業所を見学した後、市区町村役場の障害福祉課で障害福祉サービス受給者証の申請手続きが必要です。
就職後6か月を超えてからも、同じ事業所から定着支援を受けたい場合は、就労定着支援も行っている施設を選びましょう。
詳しい利用の流れは「就労移行支援の利用方法」をご覧ください。
↓失敗しない事業所の選び方
失敗談も!就労移行支援事業所の選び方・探し方!どこがいいか迷ったら‥
就労移行支援
就労定着支援のQ&A
就労定着支援に関する6つのQ&Aを紹介します。
Q. 就労定着支援は休職中も利用できる?
3パターンに分けて解説します。
1.就職後6か月は経っており休職中
就職後6か月経ったが、休職中であり、まだ就労定着支援を利用していない場合です。
休職期間中でも雇用は継続しているので、就労定着支援は利用できると考えられます。
2.就労移行支援等を利用せずに就職した休職者
就労移行支援、就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練の利用を経て就職した場合のみ、就労定着支援を受けられます。
復職や再就職を目指したい場合、復職支援を行う就労移行支援事業所がおすすめです。
休職中の就労移行支援の利用には条件があります。
3.就労定着支援を利用中に休職
就労定着支援を利用中に休職した場合でも、継続して就労定着支援を利用できます。
上記の場合、休職中の支援は就労定着支援として行われるため、就労移行支援等は利用できません。
Q. 退職・転職した後も就労定着支援は利用可能?
就労定着支援を利用中に離職しても、1か月以内に再就職(転職)した場合は、1回に限り「就労が継続している」とされ、就労定着支援を継続して利用できます。
就労移行支援等を経て就職した後、すぐ離職した場合も、1か月以内に再就職(転職)して、最初の就職から起算して就労継続している期間が6か月を超えた人は、就労定着者とみなされます。
Q. 一般雇用でも就労定着支援は利用可能?
障害者枠(障害者雇用)に限らず、一般枠(オープン就労・クローズ就労)での就職でも就労定着支援は利用可能です。
ただし、一般枠の場合は「職場の障害者配慮は望めない」「クローズ就労なのでバレたくない」などの事情があるため、職場との連携はせず、本人のみへの支援となるようです。
Q. 非正規雇用でも就労定着支援は利用可能?
パートやアルバイトなどの非正規雇用も一般就労とみなされるので、就労定着支援を利用できます。
Q. 就労定着支援は3年過ぎたらどうなる?
就労定着支援自体は最長3年の制度なので、契約終了となります。
しかし、利用者が希望した場合、その後も「なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)」などへ引き継がれ、定着支援を受けられることがあります。
契約終了後でも、定着支援自体は受け続けられるんだね。
Q. 就労移行支援と就労定着支援は併用できる?
就労移行支援は「就職前+就職後の原則6か月の支援」であり、就労定着支援は「就職後6か月経った後の支援」なので併用できないと考えられます。
就労定着支援を利用中の休職者も、そのまま就労移行支援等を併用することはできません。
最後に‥
当記事の内容をまとめてみました。
- 就労移行支援は「就職支援+就職後6か月の定着支援」
- 就労定着支援は「就職後6か月経ってからの定着支援」
- 就労定着支援は一般雇用でも非正規雇用でも受けられる
当記事がお役に立てば幸いです。
就労移行支援