就労移行支援

就労移行支援の利用の流れ!受給者証の申請手続きや認定調査

ヤンネコ

就労移行支援を受けるには、どうすればいいの?

手続きが難しそう‥。

大丈夫!そんなに難しくないよ。

就労移行支援の利用方法や流れ、受給者証の申請など

「利用するには何すればいいか?」を1つ1つやさしく解説するね。

ガイドさん

就労移行支援サービスを利用するには「障害福祉サービス受給者証」の申請をしたり、「認定調査」を受けたりする必要があります。

難しそうに思えるかもしれませんが

窓口の人や相談支援専門員、事業所のスタッフが「次は何をすればいいのか?」を教えてくれるので、割と簡単です。

正直、利用の流れを理解していなくても担当者の案内に従って進めれば、手続きできます。

ただ、流れを理解したほうが安心できますし、手続きもスムーズです。

当記事では

  • 利用の流れ
  • 必要な持ち物
  • 入所後にやること
  • 用語の意味

などを中心に、就労移行支援の利用方法を解説します。

「手続きとか不安だな・・うまくできるかな・・」といった方向けに、やさしく説明するので、ぜひ最後までご覧ください。

詳しく解説しているので「手続き大変そう・・」と思うかもしれませんが、最低限「①事業所を決める」「②市町村役場へ行って就労移行支援を利用したいことを伝える」だけできればなんとかなります。ご安心ください。

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当サイトの情報は記事執筆時点で収集したものです。厚生労働省等の情報を参考にしていますが内容を保証するものではありません。詳しくは各自治体や事業所等へお尋ねください。

障害福祉サービス受給者証とは?

障害福祉サービス受給者証の見本
引用元(右下の画像):https://www.pioneer-jimuki.com/products/262.html/

利用方法や流れを解説する前に「受給者証」について解説するね。

ガイドさん

就労移行支援等のサービスを受けるには「障害福祉サービス受給者証」が必要です。

障害福祉サービスを受けるために必要なパスポートのようなものです。

市町村によってデザインは異なりますが、縦9㎝×横13㎝ほどの手帳型になっています。

受給者証は、利用するサービスを決めた後に、市役所(町村役場)の障害福祉窓口で申請して発行してもらいます。

受給者証の発行は無料です。

障害者手帳と受給者証は別物です。障害者手帳は各種割引や障害者雇用への応募、税金の障害者控除などで使われますが、障害福祉サービス受給者証は障害福祉サービスの利用のみに使われます。

支給決定とは?

受給者証の発行が決まることを「支給決定」と呼ぶことがあります。

利用者を支援するためのサービス費(訓練等給付費)を事業所に支給することが決定したので「支給決定」と呼ばれます。

一応覚えておきましょう。

↓年齢制限は?在職中・在学中は?↓
就労移行支援の利用条件

就労移行支援の利用方法/手続きの流れ

全体の流れから説明します。

「本人(または代理人)が『いつ』『何を』すればいいのか?」を中心に解説していきます。

就労移行支援を利用するには、以下の手順で手続きが必要です。

  • 1.施設探し&決定

    はじめに事業所探しから行います。インターネットや役所に置いてある事業所リストなどから探し、見学や体験利用を通して、通う事業所を決定します。

  • 2.障害福祉サービス受給者証の申請手続き

    市町村の役所(役場)で手続きを行います。就労移行支援を利用したいことを障害福祉窓口の職員に伝えて、受給者証の申請をします。

  • 3.認定調査

    認定調査員(役所の職員など)と面談をして簡単な質問に答えます。生活状況や今後の希望などを尋ねられます。

  • 4.サービス等利用計画案の作成&提出

    障害福祉サービスを受けるにあたって「どんな目標を持ってどんな支援を行うか」の計画案を自身または相談員が作成します。できたら市町村に提出します。

  • 5.事業所と利用契約

    申請から1週間~2か月ほどで受給者証が届きます。届いたら、通いたい就労移行支援事業所へ行き、利用契約をします。

  • 6.利用開始

    就労移行支援事業所との話し合いで決めた日から利用開始です。

基本的には受給者証が手元に届いてから利用開始ですが、届くまでの間、事業所によっては体験として利用できるところもあります。

就労移行支援では雇用契約を結ばないので、ハローワークは手続きに関係ありません。

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1.施設探し&決定

利用したい就労移行支援事業所を決定する前に受給者証を申し込むことも可能です。

しかし、当サイトでは以下2つの理由により「通う事業所の決定」をしてから「受給者証の申請」という手順をおすすめしています。

  • 市町村によっては窓口で「事業所を決めてから来てください」と言われることがある。
  • 通える範囲に良さそうな就労移行支援事業所がなかった場合、手続きが無駄になる。

実は、市町村によってもサービス利用に必要な手続きや条件が、微妙に異なることがあります。

行きたい事業所を決めてから、申し込みを行うほうが確実です。

また、受給者証を申請した後に・・

A君

探してみたら通える範囲に就労移行支援事業所がなかった

見学行ってみたら思っていたのと違った

Bさん

といったケースもありえます。

手続きが無駄になりますし、受給者証はあるのに事業所に通っていなければ、2年の有効期間を無駄に消費することにもなります。

なので「事業所決め」→「受給者証の申請」という手順がおすすめです。

受給者証の申請を先に行う場合のメリット

受給者証は審査に通れば、手元に届くまで申請後1週間~2か月ほどかかります。

その間は就労移行支援を受けられません。

なので、先に受給者証の申請をすれば「届くのを待つ間に事業所探しして、事業所を決めた後すぐに利用できる」というメリットはあります。

どうしても早く利用したい場合は、先に申請するのもありです。

2.障害福祉サービス受給者証の申請手続き

就労移行支援を受けるには、障害福祉サービス受給者証が必要です。

以下の持ち物をもって、お住いの市町村役場の障害福祉窓口へ申請しに行きましょう。

必要な持ち物

・印鑑(〇認印、×シャチハタ)

・支援を受ける本人の身分証明書(※1)

・障害や疾患を証明できるもの

・マイナンバー(個人番号)がわかるもの(※2)

※1:運転免許証、健康保険証、パスポート、障害者手帳、在留カード、特別永住者証明書、年金手帳など。

※2:マイナンバーカード、マイナンバー通知書、マイナンバーが記載された住民票の写しなど。

代理人が申請する場合は「代理人の身分証明書」「委任状(法定代理人の場合は戸籍謄本などで代理権の証明可)」も必要です。

上記は一般例です。自治体ごとに必要な持ち物が異なる場合があるので、心配な方は事前に市町村の役所(役場)障害福祉窓口へお問い合わせください。

平成28年1月から申請書にマイナンバーの記載が必要となりました。

収入状況によっては、収入がわかる書類の提出も求められます。

「障害や疾患を証明できるもの」としては、以下があります。

  • 障害者手帳
  • 障害年金証書
  • 自立支援医療受給者証
  • 医師の意見書(診断書)
  • 特別支援学級/特別支援学校の利用実績

障害なしのグレーゾーンの方でも、病院へ通い、医師に意見書を書いてもらえれば利用可能です。

ただし、一部の市町村では「障害者手帳が必要」など利用条件が異なることがあります。

市町村によっては通所のための交通費や昼食代の補助を行っているところもあります。窓口へ行った際についでに聞いてみるとよいでしょう。

一人で申請できるか心配な人へ

A君

一人で、手続きできるかな・・?

うまくしゃべれない人は筆談でもOKです。

「就労移行支援を利用したい」ことさえ伝われば、窓口の担当者が申請書の書き方や必要なものを丁寧に教えてくれます。

事前に伝えたいことを紙に書いておくのもよいでしょう。

それでも心配な方は

  • 各施設の申請サポートを受ける(※1)
  • 家族や相談員に同行してもらう
  • 代理人に申請してもらう

※1:受給者証の申請サポート(手続き同行や申請方法のアドバイスなど)を行っているかは事業所によります。

などの方法を取ってみましょう。

郵送での手続きは可能?

郵送で申請できる場合もあります。

詳しくはお住いの市役所(町村役場)へお問い合わせください。

相談支援事業所の利用をすすめられたら

受給者証の申請手続きをする際に、相談支援事業所の利用をすすめられることがあります。

相談支援事業所を利用すれば、就労移行支援を利用中の様々な面で担当の相談専門支援員からサポートを受けられます。

相談支援事業所とは?

相談支援事業所とは、地域に住む障害者の生活サポートを行う機関です。

相談支援事業所は3種類ありますが、このうち「特定相談支援事業所」では就労支援事業所の利用サポート(計画相談支援)を行っています。

相談支援事業所の利用は無料です。

市町村によっては相談支援事業所の利用が必須なところもあります。

相談支援を利用するメリット

・専門家に客観的な支援計画を立ててもらえる

・市役所や就労移行支援事業所との間に入って手続きサポートしてくれる

・サービス等利用計画案を自分で作る必要がない(※1)

・就労移行支援の利用中も相談に乗ってもらえる

・就労移行支援事業所との間に入ってトラブル対処してくれる

※1:サービス等利用計画案とは、障害者本人にどんな支援が必要かなどをまとめた計画案のことです。受給者証の取得審査の際に必要になります。後で詳しく解説します。

相談支援事業所は就労移行支援だけでなく障害福祉サービス全般の利用サポートをしてくれます。

相談支援を利用するデメリット

・利用契約を結ぶ必要がある。

・3か月に1回、モニタリングがある(※1)

※1:モニタリングとは計画の見直しのことです。特に変化がなければ5~10分くらいで終わるのでそこまで手間ではありません。後で詳しく解説します。

事業所探しの段階から、相談支援事業所を利用することも可能です。

地域の就労移行支援事業所を紹介してくれたり、見学や受給者証の申請に同行してくれたりなどの支援を受けられます。

相談支援事業所の場所や連絡先は、障害福祉課や市町村HPで確認できます。

相談員は地域の障害福祉機関とつながりがあるので、気になる就労移行支援事業所の雰囲気や評判を知っていたりもします。

筆者の場合

筆者も就労支援サービスを利用しましたが、相談員についてもらっていました。

私の場合は、受給者証申請の際に、窓口の人が地域の相談支援事業所リストを見せてくれて、その中から選ぶという流れでした。

就労支援を受けた当時は、利用方法がよく知りませんでしたが、相談員がいろいろ手続きや連絡調整してくれたりしたので、楽だった印象があります。

相談員がいると何かと安心なので、利用をおすすめします。

3.認定調査(アセスメント)

受給者証の申請が終われば、認定調査があります。

認定調査とは、就労移行支援を受ける本人の生活状況や希望を聞き取るヒアリング調査のことです。

障害福祉サービス受給者証の審査の材料に使われます。

どんな内容を聞かれる?

認定調査では、以下のような簡単な質問に答えていきます。難しくはありません。

質問の例

・誰と住んでいるか?

・食事の用意や掃除など家事は自分で行っているか?

・同居人に世話してもらっていることはあるか?

・自分で金銭管理できるか?

就労移行支援事業所は障害の程度が重くなくても利用できます。

障害年金や障害者手帳のように審査のハードルは高くありません。

医者に意見書を書いてもらえるくらいであれば、たいてい審査に通ります。

質問には正直に答えましょう。

障害支援区分とは?

障害福祉サービスを受けるにあたって、どの程度の支援が必要か、度合いを表す指標です。

認定調査等の結果により6段階(+非該当)で判定されます。

ただ、この区分は主に介護サービス用であって、就労支援サービスは障害支援区分が「非該当」であっても利用できます。

どのくらい時間が掛かるの?

認定調査は、数十分~2時間ほどかかります。

質問が全部で80以上あります(基本の80項目は選択式)。

「いつ」「誰が」「どこで」調査を行うの?

自治体によってバラバラです。

受給者証の申請の際に市役所の職員がそのまま行うこともありますし、日程を決めて、後日自宅で行われることもあります。

委託された相談支援事業所の相談員が行うケースもあります。

認定調査する人のことを認定調査員と呼びます。

4.サービス等利用計画案の作成&提出

サービス等利用計画案の例
サービス等利用計画案の例(このほかに週間計画表があります)

サービス等利用計画案とは、どんな方針や目標をもって、障害者本人にどのような支援サービスを行うかの計画を紙にまとめたものです。

計画案の内容も受給者証に反映されます。

「こんな感じで支援する予定ですが、いかがでしょうか?」と市町村に伝えるためのものです。

サービス等利用計画案は誰が作るの?

サービス等利用計画案の作り方は2種類あります。

  • 相談支援専門員に作ってもらう
  • 自分や家族、支援者が作る(セルフプラン)

相談支援事業所を利用している方は、相談支援専門員に作成と提出を代行してもらえます。

費用は掛かりません。

セルフプランとは?

相談支援専門員に代行してもらわずに、自身や家族、支援者が作成する利用計画をセルフプランと言います。

市町村によって書式が決められていることがあるので、窓口で書類を受け取ってください。

作成したら、市町村の障害福祉窓口へ提出します。

5.事業所と利用契約

認定調査やサービス等利用計画案の提出の後、受給者証の発行が行われます。

先に述べた通り、申請から1週間~2か月ほどが目安です。

市町村によっては「役所(役場)に取りに来てください」と言われることもあります。

受給者証が届いたら、利用する就労移行支援事業所へ受給者証や認印を持って行き、利用契約を結びます。

受給者証はあくまで許可証のようなものなので、別途事業所との契約が必要です。

暫定支給期間とは?

暫定支給期間とは、障害福祉サービスを利用するにあたってのお試し期間のようなものです。

暫定支給とは「とりあえず受給者証発行するから、利用していいよ」という意味です。

期間は2か月で、この間に

  • 就労移行支援を今後も利用し続けたいか(本人の意向)
  • 就労移行支援がその人にとって適切か(客観的な判断)

を見極めます。

とはいえ、通常の利用と中身は変わりませんし、ほとんどの人は意識せずに暫定支給期間を終えて、そのまま本利用に入ります。

説明しておいてなんですが、暫定支給期間を特別意識する必要はありません。

過去に事業所を利用していたり、同じ事業所で別のサービスを利用していたりする場合など、暫定支給期間がない場合もあります。

6.利用開始

利用する就労移行支援事業所のスタッフと話し合い、利用開始日を決めます。

その後は、個別支援計画の内容に沿って、支援が進められます。

個別支援計画とは?

個別支援計画とは、事業所の職員が作成する利用者ごとの支援計画のことです。

「現状の課題」「今後の目標」「どんな職種につきたいか」など面接を通して、計画を作成していきます。

通所が始まったら職員から声を掛けられるので、サービス管理責任者と面談をして、自分の希望を伝えておきましょう。

サービス等利用計画と個別支援計画の違い

どちらも利用者の支援計画ですが、計画の範囲に違いがあります。

サービス等利用計画は障害者本人の地域生活全般に関わるものです。支援サービスの組み合わせなど広い範囲での計画を指します。

一方、個別支援計画は利用者の「支援サービスごと」に施設のサービス管理責任者が作成する支援計画を指します。

サービス管理責任者とは?

サービス管理責任者とは、障害福祉サービスを適切に提供できるよう管理する職員のことです。

「サビ管」と略すことも多いです。

就労移行支援の利用を始めたら

A君

利用し始めた後も、やることあるの?

ここまで説明した流れに沿って手続きを行えば、就労移行支援を使えます。

利用開始した後も、定期的に(または場合によって)簡単な手続きが必要です。

定期的なモニタリング

「サービス等利用計画」や「個別支援計画」を定期的に見直すことをモニタリングと言います。

時期になったら、担当者から声が掛かかります。

「最近の様子」や「支援計画」について簡単に面談した後、サインや捺印をするだけです。

人によっては、5~10分で終わります。

就労移行支援の場合は、頻度など以下の通りです。

  • サービス等利用計画

    はじめ3か月は毎月、その後は3か月に1回の頻度で相談支援専門員と面談(※1)

  • 個別支援計画

    3か月に1回以上の頻度でサービス管理責任者と面談

※1:一部例外があります。

セルフプランの場合は、サービス等利用計画のモニタリングは実施されません。

受給者証の記載内容に変更があった場合

住所や氏名など受給者証の記載内容に変更があった場合は、市役所(役場)の障害福祉課へ連絡しましょう。

相談支援事業所を変更した際も連絡が必要です。

就労移行支援事業所を変更(または退所)する場合

相談支援事業所を利用している場合は、事業所の退所や変更の際に相談員へ連絡しておくとよいでしょう。

就労移行支援以外のサービスを利用したくなった場合は、再度審査を受ける必要があります。

まとめ

利用の全体の流れは以下の通りです。

  • 1.事業所探し&決定
  • 2.障害福祉サービス受給者証の申請手続き
  • 3.認定調査
  • 4.サービス利用等計画案の作成&提出
  • 5.事業所と利用契約
  • 6.利用開始

はじめにも述べましたが、流れをしっかり理解していなくても手続きできます。

心配しすぎる必要はありません。

とりあえず通いたい事業所を決めたら、市役所(町村役場)の障害福祉課へ行ってみましょう。

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