福祉作業所って何?
A型事業所やB型事業所との関連も解説するね。
福祉作業所とは「一般企業等で働けない障害者が、働いたり生活交流したりする場」です。
元々は、ボランティア団体などが運営する民間事業所でしたが、現在は公的サービスの「就労移行支援事業所」や「就労継続支援事業所(A型・B型)」として運営されるケースが多くあります。
いずれも、ほとんどの人が無料で利用可能です。
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各サービスは「利用目的」や「支援内容」が異なります。
それぞれの「特徴」「おすすめな人」など解説していきます。
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福祉作業所とは?
福祉作業所とは、いわゆる「作業所」のことです。
作業所とは、一般企業等で働けなかったり、就職したけど仕事が長続きせず辞めてしまったりする地域の障害者に「働く場・生活交流の場」を提供する事業所のことです。
社会参加や、社会復帰のリハビリなどの目的で利用されます。
「小規模作業所」「共同作業所」「障害者作業所」「小規模授産所」などと呼ばれることもあります。
活動・仕事内容の例
・企業等の下請け作業(※)
・パンやクッキーの製造&販売
・公園の清掃
・喫茶店の運営
・通販サイトの運営
・レクリエーション(例:演奏、運動会)
元々、作業所は、障害者団体・保護者団体などが運営する「民間事業所」であり、国の制度によるものではありませんでした。
しかし、2006年10月から「障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)」による新しいサービス体系が生まれると、法律で定められた「就労支援施設」などへ、徐々に移行していきました。
就労支援施設には、「就労移行支援事業所」や「就労継続支援A型事業所」「就労継続支援B型事業所」などの種類があります。
令和5年12月時点で、全国に24,000施設以上あり、約47万人が利用しています。
- 就労移行支援事業所
「支援があれば一般就労(※)が可能」と見込まれる障害者に対し、就職や就職後の職場定着の支援をしてくれる。就職を目指す障害者におすすめ。一般雇用も障害者雇用も目指せる。週1回半日から通えるところも多い。
【利用者数:約3.7万人】 - 就労継続支援A型事業所
一般就労(※)が困難な障害者に対し、障害配慮をしつつ、最低賃金を保障した職場を提供してくれる。雇用契約を結び、アルバイト並みの給料がもらえるのが特徴。ただし、基本的に週5日の通所が求められるため、3つの中ではもっとも通うハードルが高い。
【利用者数:約8.9万人】 - 就労継続支援B型事業所
一般就労(※)が困難な障害者に対し、障害配慮をしつつ、働く場・社会参加ができる場を提供してくれる。雇用契約は結ばないが、月1万~2万円の工賃がもらえる。週1日短時間から、利用者の意向に合わせて通える。3つの中で最も通うハードルが低い。
【利用者数:約34.8万人】
昔の作業所とは、役割や目的が変わっているものもあります。
それぞれ、後で詳しく解説するね。
主な利用者【例】
・引きこもっていた人
・仕事が続かない人
・病気や障害を理由に仕事をやめた人
・就活がうまくいかなかった人
正式名称ではありませんが、現在では上記3つの障害者施設(特に就労継続支援事業所)を指して「作業所」と呼ぶことが多くあります。
事業所の形態が変わっても「〇〇福祉作業所」など、名称は変えずに運営しているところも多くあります。
事業所名は「~福祉作業所」でも、実際には「就労継続支援B型事業所」だったりするよ。
作業所の種類と違い
「作業所(福祉作業所)」と呼ばれる「3つの就労支援サービス」について、解説します。
違いをよく理解し「自分に合ったサービスはどれか?」を見極めていきましょう。
いずれのサービスも、施設によっては「在宅訓練可能」なところがあります。
コミュニケーション苦手な人や、引きこもりだった人も、多く通っているよ!
就労移行支援
就労移行支援事業所では、障害者や難病患者に対して「就職や再就職するための支援」が行われています(全国に約3,000施設)。
体調に合わせて1日2~6時間、週1~5日ほど通い、様々な訓練やサポートを受けて就職を目指します。
訓練や支援の内容は、以下の通りです。
- ビジネス講座
ビジネスマナー、メール応対/電話応対/来客対応、敬語や報連相、スケジュール・タスク管理、身だしなみ、模擬就労など
- コミュニケーション訓練
グループワーク、JST(職場対人技能訓練)、SST(社会生活技能訓練)、あいさつ
- スキルアップ訓練
タイピング、Word/Excel/PowePoint、Web制作、プログラミング、デザイン、農作業、清掃、接客、調理、軽作業、簿記、ビジネス英会話など
- その他の訓練・講座
セルフケア、ストレス対処、アンガーマネジメント(感情コントロール)、生活管理、金銭管理、運動プログラム、レクリエーション(ゲーム大会、卓球、イベント等)など
- 就活サポート
応募書類(履歴書/職務経歴書/私の障害について)の作成&添削、職場実習(インターンシップ)、企業研究、面接対策など
- 職場定着サポート
就職後に、職場や生活の相談に乗ってくれ、企業側と利用者の橋渡しをして職場環境を整えてくれます。
早い人は「1か月」、一般的には「数か月~2年」ほどで就職していきます。
「徐々に通所日数を増やしながら‥」など、個人のペースで就職を目指せるよ。
一般企業等での就職を目指す障害者には「就労移行支援」が向いています。
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気になる方は、以下の記事をご覧ください。
就労移行支援
就労継続支援A型
就労継続支援A型事業所では、一般企業等での就労が困難な障害者に対して、働く場を提供してくれます(全国に約4,500施設)。
「A型作業所」と呼ぶ人もいるよ。
障害福祉サービスの中で、唯一「雇用契約(パート契約等)」を結ぶのが特徴です。
最低賃金が保障されるので、月額6万~10万円ほどの給料ももらえます。
1日の作業時間やスケジュール、訓練内容&レベルは事業所により異なります。
仕事内容の例
・部品検品
・お菓子の箱折
・データ入力
・IT(プログラミング、Webデザイン)
・イラストやデザイン作成
・eスポーツ(ゲーム)
・パン/クッキー/お菓子作り
・カフェやレストランでの接客/調理
・手芸/雑貨づくり
・清掃/農業
作業は軽作業が中心ですが、近年はIT特化型などの事業所も増えてきました。
A型事業所は「障害配慮を受けながら、アルバイト並みの給料がもらえる」のがメリットですが、以下のデメリットもあるので注意してください。
- 基本的に1日4~6時間ほど、週5日の通所が必要
- 一定以上の作業レベルが求められる
雇用契約を結ぶため「毎日安定して働けること」が原則です。
障害配慮がある分、一般企業よりは楽に働けますが、一般のアルバイト等に近い作業レベルが求められます。
「労働者」なので、「行きたくない」という理由だけで休むことはできません。
作業所によっても、雰囲気や欠勤・遅刻に対する寛容さは異なるよ。
次に紹介する「B型事業所」よりは「厳しく」、障害者雇用含む一般就労よりは「やさしい」ようなイメージです。
一般企業での就職は自信ないけど、1日短時間で、障害に理解のある環境でなら働けそう‥。
といった人におすすめできます。
「A型事業所で働く自信がない人」は、B型事業所から始めてみましょう。
就労継続支援B型
就労継続支援B型事業所では「一般企業等」や「A型事業所」で働くのが難しい障害者に対して、就労訓練の場を提供しています(全国に約17,000施設)。
「B型作業所」と呼ぶ人もいるよ。
名目上は「就労訓練」ですが、「社会参加のリハビリ」「日中の居場所」などの目的で通う人も多くいます。
1日1~6時間、週1~5日ほど、自分の体調に合わせて自由に通えます。
雇用契約は結びませんが、月額1万~2万円ほどの工賃ももらえます。
施設によっては、月額3万~5万円ほどの工賃がもらえるところもあるよ!
家の近くの作業所を探してみよう!
作業内容の例
・部品検品
・お菓子の箱折
・データ入力
・IT(プログラミング、Webデザイン)
・イラストやデザイン作成
・eスポーツ(ゲーム)
・パン/クッキー/お菓子作り
・カフェやレストランでの接客/調理
・手芸/雑貨づくり
・清掃/農業
作業の種類自体は、A型事業所とあまり変わりません。
ただし、求められる作業レベルは、B型事業所のほうがやさしめです。
労働者ではないので、毎日の通所義務もありません。
より低いハードルから社会復帰を目指す人や、長年引きこもっていた人などにおすすめできます。
特別支援学校を卒業した人も多く通っているよ。
B型事業所で社会に慣れてきたり、安定した通所ができるようになれば「就労移行支援事業所」や「A型事業所」へのステップアップも見えてきます。
障害者手帳なしでもOK
身体障害者以外は、多くの市区町村で「障害者手帳なし」でも就労支援サービスを利用可能です。
- 精神障害者、知的障害者、発達障害者
障害者手帳なしでも利用可
- 身体障害者
原則、障害者手帳が必要
お住いの市区町村によって対応が異なるので、気になる方は、就労支援施設の職員へご確認ください。
就労移行支援
利用料金
就労支援は障害福祉サービスなので、ほとんどの人が『無料』で利用できます!
「就労移行支援:約94%」「就労継続支援A型:約91%」「就労継続支援B型:約97%」の人が、自己負担0円で利用しているというデータもあるほどです。
利用料金は「住民税の課税状況(≒前年or前々年の収入)」等で決まります。
以下の【1】は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「確定申告」「住民税の申告」で障害者控除が申告してある場合、【2】はそれ以外の場合です。
無料 | 有料 | |
---|---|---|
条件 | 住民税非課税 生活保護受給 | 住民税課税 |
年収 目安 | ~204万円【1】 | 205万円~【1】 |
~100万円【2】 | 101万円~【2】 | |
利用料 | 0円 | 月額:数千~3万円 |
※年収目安は「給与収入のみ扶養なし」「利用者は18歳以上で配偶者なし」など仮定しています。その他条件によって金額は変わります。
※配偶者がいる場合は配偶者も非課税なら無料。世帯収入は合算せず各々で計算。親・子・兄弟姉妹・祖父母の収入は基本的に関係ありません。
※他パターンの方やより厳密に判定したい方は「計算ツール」もご利用ください。
有料の場合、利用料に幅があるのは、施設や利用日数によって金額が異なるためです。
有料なら「(1日数百円~千円超)×利用日数」が必要ですが、上限額が決められているため「9,300円/月」か「37,200円/月」の負担で済みます。
ほとんどの場合は、有料でも「9,300円/月」以下です。
↓就労支援の自己負担を計算
年収から自動計算!障害福祉サービスの利用者負担|料金表|37,200円は高い!?
利用方法・利用の流れ
利用の流れは、3サービスともだいたい同じですが、就労継続支援A型のみ、面接時に「履歴書の提出」や「ハローワークの紹介状」が必要です。
見学は、本人以外の家族や支援者でもOKな場合が多くあります。
- 1.施設探し
インターネットなどで家から通える施設を探します。評判・口コミもチェックしましょう!
- 2.見学
気になる施設があれば見学します。2~3施設ほど見学に行って比較するのが一般的です。訓練の様子や雰囲気をチェックしましょう。体験利用できるところも多くあります。
- 3.採用面接(A型のみ)
ハローワークで紹介状を発行してもらい面接を受けます。基本的に履歴書が必要です。特に指定がなければ服装は私服で大丈夫です。
- 4.市区町村役場に利用申請
就労支援サービスの利用に必要な障害福祉サービス受給者証の申請をします。手続きは難しくありません。
- 5.施設と利用契約を結ぶ
受給者証が発行されたら、施設へ行き、利用契約を結びます。A型事業所の場合は雇用契約も結びます。
- 6.利用開始
施設の職員と相談して決めた日から利用開始です。
利用手続きは、難しくありません。
施設や役所の職員が、丁寧に案内してくれます。指示に従って書類に記入していくだけです。
コミュニケーションや手続きが苦手な人でも、問題なく利用できます。
心配なら、家族や支援者に同行してもらおう!
「役所の申請サポート」を行っている施設も多くあります。
まとめ
- 福祉作業所は、元々は障害者が日中活動して過ごすための民間事業所を指す
- 現在では公的サービスである「就労移行支援事業所」「就労継続支援A型・B型事業所」を指して「作業所」と呼ぶことが多い(※)
- 就労移行支援は「就職/再就職を目指す人」におすすめ
- 就労継続支援A型は「障害配慮があれば、週5日安定して働ける人」におすすめ
- 就労継続支援B型は「低いハードルから社会復帰したい人」におすすめ
気になる人は、お近くの施設を探して見学してみてください。
当記事では一般的な説明をしましたが、実際には施設によって特色や雰囲気は大きく異なります。
良い事業所も多くありますが、一部で評判の悪い事業所もあるので、口コミは必ずチェックしましょう!
就労移行支援