就労移行支援に向いてないのはどんな人?
逆にどんな人が向いているの?
「利用中の生活費のあてがない人」や「就職に本気じゃない人」などは、就労移行支援に向いてないよ。
就労移行支援に向いてない人には、以下いずれかの特徴があります。
- 利用中の生活費のあてがない人
- 一人でも就職できそうな人
- 専門スキルだけ身につけたい人
- 求人紹介だけ受けたい人
- 就職を本気で目指していない人
↓おすすめ1位の就労移行支援事業所
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逆に「一人で就職できなかったり、仕事が長続きしなかったりする人で、半年~2年の生活費のめどが立っていて、就職に前向きな人」は就労移行支援に向いています。
就労継続支援事業所など、就労移行支援が合わない人向けのおすすめ機関も6つ紹介しているので、ぜひご覧ください!
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就労移行支援に通っているのはどんな人?
「向いてない人」や「合わない人」について解説する前に、「どんな人が通っているのか?」をまず見てみましょう。
以下は、就労移行支援を利用する前の状況を調査した東京都のデータです(利用者4,838名が対象)。
就労移行支援に通う前は?
※1:デイケアを含む
※2:サービス利用なし
※3:他の就労移行支援事業所3.5%、就労継続支援A型事業所1.0%、就労移行支援B型事業所4.3%の合計
※4:高校・大学・短大・専門学校含む
実は就労移行支援事業所には、一般就労したことある人が多くいます。
就労経験ない人はもちろん、転職や退職を繰り返してきた人も多いんだよ。
デイケアに通っていたり、病院から紹介を受けて通い始める人も多くいます。
他には「学校卒業してすぐ利用」や「引きこもっていた人が社会復帰のために利用」などのパターンがあります。
↓就労移行支援の利用条件
就労移行支援の対象者や利用条件は?年齢制限は?健常者や在学中、在職中でも利用できる?
向いてない人・合わない人!特徴5つ
「どんな人が向いているか?向いてないか?」を理解するには、就労移行支援の特徴も知る必要があります。
就労移行支援のメリット・デメリットをふまえながら解説します。
利用中の生活費のあてがない人
利用中の生活費のあてがない人は、就労移行支援に向いていません。
就労継続支援とは違い、就労移行支援では賃金がもらえないからです。
利用中は家族からの援助や、障害年金、失業給付などの収入で生活費をまかなう必要があります。
できれば1~2年、最低でも半年分の生活費はめど立てておこうね。
利用料が無料でも、生活費はどうしてもいるもんね。
例外的に許可が出る場合を除き、アルバイトも原則禁止です。
中には一人暮らしをしながら通う人もいますが、大半は家族から援助を受けています。
一人暮らしについては「就労移行支援事業所に通う13%が一人暮らし?グループホームという選択肢も」をご覧ください。
単発バイトは?
給付金制度など
給料がもらえる就労支援サービスを利用したい場合は「就労継続支援A型」をご検討ください。
就労継続支援の違い
一人でも就職できそうな人
就労移行支援は「一人では就職できない人」に向いています。
逆に、相談相手がいなくても平気な人や「スキルアップ」「自己分析」「求人探し」などを一人で行って就職できる人は、あまり向いていません。
支援内容の例
・PC/ビジネス/コミュニケーション訓練
・障害理解+体調管理能力アップ
・自己分析+向いている仕事探し
・就職相談+独自求人
・面接練習+応募書類添削
・ハローワークや面接の同行
・就職後の定着支援
上記の支援なしでも就職できそうな人は、就労移行支援へ行く意味はあまりありません。
就職自体は一人でできても、仕事を長続きさせるための訓練・サポートを受けたい人なら、行く意味はあるよ。
就労移行支援
専門スキルだけ身につけたい人
就労移行支援事業所は、基本的な「ビジネスマナー」「PCスキル」「対人スキル」を身につけたい人や、安定して通勤できるようになりたい人に向いています。
業務に必要な専門技術だけを身につけたい人には、向いていません。
専門的なスキルアップだけが目的なら、他のスクールに通えばいいかもね。
ただし、プロから無料でプログラミングを教えてもらえるなど、なかには専門技術も身につけられる就労移行支援事業所があります。
ほとんどの人は就労移行支援を無料で受けられるので、専門スキルも身につけられて就職サポートもしてもらえるなら、とてもお得と言えるでしょう。
近くに専門スキルを身につけられる事業所がないか、まず探してみましょう。
就労移行支援事業所
就職を本気で目指していない人
以下に当てはまる人も、就労移行支援は向きません。
- まわりに言われて嫌々通おうとしている
- 居場所という目的のみで通おうとしている
社会復帰の第一歩として利用できる就労移行支援ですが、あくまで「就職するつもり」であることが前提です。
就職するつもりがないなら、就労継続支援のほうが合っています。
通っているうちに、まわりから刺激を受けて、就労意欲がわく可能性はあるけどね‥一応。
就労移行支援は原則2年の期限もあるから、「就職目指そう」と決めてから利用したほうがいいよ。
求人紹介だけ受けたい人
求人紹介だけ受けたい人も、就労移行支援事業所は合いません。
就労移行支援は独自求人を扱っていたり、求人探しの手伝いなどしてくれたりはしますが、職業紹介機関とは別物です。
就労移行支援では、就職準備期間から就職&定着までの総合的なサポートが行われるよ。
Q. コミュニケーション苦手な人は向いてない?
コミュニケーション苦手な人にとって、就労移行支援は「きつい」「合わない」って聞いたけど本当?
考え方は人それぞれですが、むしろ筆者はコミュニケーションが苦手な人こそ、就労支援サービスは向いていると考えています。
理由は、筆者自身、就労支援施設に通い始めて、重度の対人恐怖がだいぶ改善されたからです。
確かにスタッフや他の利用者などと接しますし、つらかったり、しんどかったりすることもありました。
ただ、一般社会に比べれば、障害理解のある人も多いですし、求められるハードルもだいぶ低いので乗り越えられました。
一番大きいのは「否定されない」という経験を積み重ねることだよ。
「受け入れられる」経験を繰り返すで、少しずつしゃべれるようになるんだね。
就労支援施設は一般社会に出る前の、ちょうど良いステップです。
筆者が通ったのは就労継続支援ですが、就労移行支援にも似たような環境があります。
↓引きこもりの就労支援体験談
引きこもり・無職・ニートの就労移行支援の体験談!デメリットもメリットもある!
就労移行支援
個別訓練できる事業所もある
就労移行支援事業所の訓練には、複数人で行う「集団訓練」と一人で行う「個別訓練」があります。
事業所にもよりますが、個別訓練だけ行えるよう配慮してもらえたり、個別ブースで黙々とeラーニング(動画学習)できたりもします。
在宅訓練が可能な事業所も増えてきたよ。
近年は、必ずしも「働く=対面でのコミュニケーション能力が必要」というわけでもありません。
それにともない、在宅ワークや個人事業主、フリーランスを目指す障害者を支援するなど、就労移行支援も多様化しつつあります。
対人能力はあるに越したことはないけど、リモートワークとか自分に適した働き方を探すのもいいよね。
Q. すぐに就職したい人は向いてない?
就職までの就労移行支援の平均利用期間は1年4か月です。
基本的には、半年~2年かけてじっくり就職を目指していきます。
ただ、中には2~3か月で就職する人もいるので、必ずしも「すぐ就職したい人は向いてない」というわけでもないよ。
受給者証の発行も、2週間から1か月くらいはかかるけどね‥。
半年以内の就職も、人によっては可能なんだね。
就職準備が完璧な場合は、転職支援サービスを利用したほうがよいですが‥
面接練習や履歴書添削とか‥もう少し手厚い支援をしてほしい!
という方は、就労移行支援事業所もおすすめできます。
ただし、「短期就職に前向きな事業所か?」はよくチェックしておいてください。
自分は早く就職するつもりでも、スタッフから「もっとじっくり就職準備すべき」とか言われたら嫌だもんね。
短期就職を目指す場合は、はじめから週4~5日通えることが条件です。
就職には安定した通所実績が必要で、不安定な通所が安定するまで、通常は数か月~1年以上の長い期間がかかるからです。
利用期間や就職スケジュール
Q. 就労経験やスキルがある人は合わない?
「就労経験」や「スキル」の有無だけでは、就労移行支援が合わないかどうか何とも言えません。
就労移行支援に行く意味があるかは「何を目的に通うか」によるからです。
はじめに述べた通り、就労経験のある人でも、就労移行支援事業所を利用する人は多くいるよ。
10年~20年、正社員で働いていた人でも利用することはあるよ。
確かに「訓練のレベルが低い」と感じる利用者も中にはいます。
基本的なビジネスマナーやPCスキルは、社会人経験が豊富な人にとっては受ける必要のない訓練だからです。
ただ、スキルアップは必要なくとも「体調管理能力アップ」や「コミュニケーションの苦手克服」などを目的にして通う場合、就労移行支援は役立ちます。
仕事を長続きさせたい場合は、業務スキルより、むしろ上記の能力のほうが求められるよ。
「受けたいプログラムだけ受ければいい」という事業所も多くあります。
見学だけしてみて「自分には合わない」と思ったら、やめればいいかも。
休職中にリワーク支援(復職支援)として通う人や、長年のブランクを埋めるために通う人も多くいます。
↓休職中に利用する条件
就労移行支援は休職中OK!働きながらNG!在職中に利用できる人とは?
就労移行支援
事業所と自分が合わないケースも‥
「就労移行支援サービスが合わない」のではなく「通っている事業所が自分と合わない」といったケースも起こり得るので、注意しましょう。
- 事業所の方針や雰囲気が合わない
就職や障害者に対する考え方など、施設の管理者やスタッフの価値観によって、同じ就労移行支援でも事業所の雰囲気は大きく異なります。
- 嫌いなスタッフがいる
1事業所につき1人はサービス管理責任者という有資格者がいますが、スタッフにも様々な人がいます。障害理解が足らない・自分の性格とは合わないスタッフもなかにはいるでしょう
- 他の利用者と合わない
利用者同士の人間関係も事業所により様々です。他にどんな利用者がいるか、過去にトラブルはあったか、など気になる場合は見学時に確認しましょう。
- 訓練のレベルが低い
事業所ごとに訓練レベルは異なります。個別訓練可能か、プログラムは強制参加か、専門スキルのあるスタッフがいるかなども、チェックしておきましょう。
- 厳しすぎる
訓練で求められるハードルや、必要最低限の通所日数・時間は事業所によって異なります。やさしい、厳しいなどスタンスも様々です。
- 設備が悪い
バリアフリーになっているか、事業所内の広さはどうか、パソコンは1人1台あるか、なども事業所によります。見学時にチェックしておきましょう。
できれば2~3施設を見学して、体験利用もして、じっくり通う事業所を検討しましょう。
ただ、通い始めてみないとわからない部分があるのも確かです。
「自分に合わない」「しんどい」「つらい」と感じたら、無理せず事業所の変更も視野に入れましょう。
就労移行支援に向いている人
就労移行支援事業所に向いているのは、以下3つのいずれかに当てはまる人です。
- 転職や退職を繰り返している人
- 就職活動がうまくいかなかった人
- 働いた経験がなく不安な人
「就労意欲はあるが『一人で就職できない』または『仕事が長続きしない』、かつ半年~2年の生活費のめどが立っている人」ともいえます。
もう少しいえば‥
- 生活リズムが整う
- 体調管理能力がつく
- コミュニケーション能力が上がる
- ビジネスマナーやPCスキルが身につく
- 面接練習/履歴書添削してもらえる
などに魅力を感じられれば、就労移行支援へ行く意味はあるでしょう。
↓失敗しない事業所の選び方
失敗談も!就労移行支援事業所の選び方・探し方!どこがいいか迷ったら‥
就労移行支援
就労移行支援が合わない人の選択肢
「就労移行支援は合わないな‥」と思った方は、同じ障害福祉サービスである「就労継続支援」が特におすすめです。
A型作業所、B型作業所などと呼ぶ人もいます。
- 就労継続支援A型事業所
雇用契約を結び、労働者として1日短時間働きます。多くの事業所では週5日働き、月6~10万円の給料も出ます。事業所にもよりますが、仕事内容は軽作業が中心です。
- 就労継続支援B型事業所
雇用契約を結ばずに、1日短時間の作業を週1~5日ほど行います。月1~2万円の工賃も出ます。事業所にもよりますが、仕事内容は軽作業が中心です。
「就労継続支援とは?A型とB型の違い」や「就労移行支援と就労継続支援の違い」の記事をまだチェックしていない方は、ぜひご覧ください。
そのほか障害者がサービスを受けられる就労・生活支援機関には、以下があります。
- ハロートレーニング
職業スキルや知識を習得できる公的な職業訓練制度です。雇用保険を受給できるか否かで「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」に分かれます。障害者専用の障害者能力開発校は全国に19校設置されていますが、学力検査や面接などの入試があります。
- 地域障害者職業センター
独立行政法人によって設置された障害者専用の職業リハビリ施設です。職業評価をし、計画を立てた後、様々なニーズに応じて職業支援を受けられます。都道府県ごとに1か所以上設置されています。
- 障害者就業・生活支援センター
障害者の自立した雇用を目指すために就業と日常生活の両面からサポートしてもらえます。他の就労支援機関への斡旋や就活の相談・支援など行います。「なかぽつ」とも呼ばれ、全国に300以上設置されています。
- 地域活動支援センター
障害者を対象とした日中活動のサポート施設です。手工芸品の製作・販売、清掃活動、レクリエーション、地域のイベント参加など行ったりします。生活の悩みなども相談可能です。
最後に‥
就労移行支援や就労継続支援など、サービスや機関には、それぞれ特徴があります。
「目的は何か?」「自分に合った支援は何か?」をよく考え、メリットやデメリットを理解しながら検討しましょう!
多くは無料のサービスだけど、自分の役に立たない支援は時間の無駄だもんね‥
当記事が参考になれば幸いです。
就労移行支援