作業所ってどんなとこ?
障害者が日中通える就労支援事業所だよ。
作業所とは、障害者や難病患者が「就労訓練」や「他人との交流」を目的として、日中に通う施設のことです。
昔は無認可の福祉作業所も多くありましたが、現在では法整備され、障害福祉サービスとして無料で利用できるものも多くあります(※1)。
精神障害者、発達障害者、知的障害者、身体障害者、難病患者のいずれかで「一般就労が困難な人」または「就職を目指す人」が対象です。
- 就職したけど仕事が長続きしない人
- 引きこもりやニート
- 就活がうまくいかなかった人
- 社会復帰を目指している人
- 社会参加の居場所が欲しい人
などにおすすめできます。
筆者も、作業所に数年間通っていましたが「通ってよかった!」と思っています。
コミュニケーション能力が改善されたり、スキルアップして自信がついたりなど、行く意味はありました。
作業所の「種類」や「利用条件」「利用方法」など解説します。
↓おすすめ1位の就労移行支援事業所
LITALICOワークスがやばい!本当の評判と就職実績は〇〇だった
リタリコワークス | 全国No.1の就職実績(※1) コミュ障OK!在宅利用可!最大手で非常に評判がいい!1か月の就職例も |
---|---|
ココルポート | 昼食無料+交通費支給 |
ミラトレ | 就職率95%・定着率97% |
キズキビジネスカレッジ もチェック!※「 キズキビジネスカレッジ 」も要チェック!
(平均4か月で就職内定!初任給38万円も)
障害者の作業所とは?
作業所とは、一般企業等に就職できなかったり、仕事が長続きしなかったりする地域の障害者/難病患者のために「働く場」「交流の場」を提供する施設のことです。
日中に短時間通って、就労訓練により工賃を得たり、生活・就職支援をしてもらえたりします。
もともとは「小規模作業所」「共同作業所」「授産施設(授産所)」「福祉作業所」などと呼ばれていましたが
2006年10月施行の障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)」により「就労移行支援事業所」「就労継続支援A型・B型事業所」などへの移行が進められてきました。
現在では「作業所」というと、今のサービス体系である「就労移行支援事業所」や「就労継続支援事業所」を指すことが多くあります。
特に「B型作業所」「A型作業所」‥といったように、就労継続支援事業所を指すケースが多いです。
作業所の種類
前述のように、現在では、障害福祉サービスである以下などを指して、作業所と呼ぶことがあります。
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援B型事業所
- 就労継続支援A型事業所
いずれも「障害への配慮」を受けながら通えるので、一般企業よりは過ごしやすい環境が整っています。
通所が一般的ですが、事業所によっては「在宅支援(在宅ワーク)」が可能なところもあります。
3つの就労支援事業所の違いは、以下の通りです。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、就職特化型の訓練を受けられる施設です(全国に約3,000か所)。
「就職」や「就職後の安定した就労(職場定着支援含む)」を目的として障害者たちが通っています。
週1回半日から通える事業所もあり、体調管理・セルフケアなど学びながら、少しずつ通所頻度を上げていくことも可能です。
1日の利用時間は、最大でも4~6時間ほどです。
最終的には週4~5日など、自身が目指す就労に必要な日数や時間だけ、安定して通えるようになる必要があります。
訓練内容/支援内容の例
・スキルアップ訓練(パソコン、IT、デザイン、清掃、軽作業等)
・コミュニケーション訓練
・ビジネスマナー講習
・面接対策/履歴書添削
・模擬就労/職場実習
・体調管理/セルフケア
・運動/レクリエーション
・資格取得サポート
↓訓練内容の詳細はこちら
就労移行支援の訓練内容/プログラム28種!トレーニング一覧
もちろん、職員への就職相談も可能です。
ただ1点だけ、就労移行支援のみ「原則2年」という利用期限があるので、注意してください。
「一般就労の意欲が高くない人」「まずは社会参加の練習をしたい人」は、次の就労継続支援B型事業所のほうがおすすめです。
就労移行支援
就労継続支援B型事業所
就労継続支援B型事業所(B型作業所)は、ハードルの低い環境で就労訓練を受けられる施設です(全国に約16,000か所)。
就労訓練といっても、出欠や作業時間は利用者の自由度が高く、実際には「居場所」や「他人との交流」を目的として、通っている人も多くいます。
利用期間に制限はありません。
次に紹介する就労継続支援A型との大きな違いは「雇用契約を結ばない」点にあります。
基本的には「B型事業所」は「A型事業所」ほど厳しくないよ。
1日1時間、週1回から通えるところが多く、3つの就労支援サービスの中で、もっとも通いやすい(ハードル低い)のが特徴です。
最大で1日4~6時間、週5日ほど通えるのが一般的です。
将来的には、B型からA型へ移る人、B型から一般就労をする人もいます。
B型事業所がおすすめな人
・ハードル低い環境から社会参加したい人
・日中の居場所が欲しい人
・引きこもり、コミュニケーション障害などで人との関りに自信が持てない人
作業は、内職系の軽作業など、一般企業の業務より簡単なものが中心ですが
近年は「イラスト・漫画・アニメ制作、パソコン、webデザイン」など、IT系やクリエイティブ系の訓練を行える事業所も増えてきました。
作業内容の例
・軽作業(組み立て/検品/データ入力等)
・IT系(HP作成/プログラミング)
・イラスト、デザイン
・動画制作、音楽制作
・eスポーツ(ゲーム)
・飲食(接客や調理補助)
・ハンドメイド(雑貨やグッズ制作)
・農作業
・クリーニング、清掃
↓作業内容の詳細はこちら
就労継続支援B型の作業一覧!厳しい?在宅訓練も可
就労継続支援B型では、作業対価として「工賃」という給料の代わりになるお金がもらえます。
工賃は全国平均で月額 約17,000円ですが、実際には月額5,000円未満のところもあれば、月額5万円以上のところもあるなど、施設格差があります。
↓工賃の詳細はこちら
B型事業所の平均工賃と手取り|時給243円!最高額10万円/月超!?
就労継続支援A型事業所
就労継続支援A型事業所(A型作業所)は、雇用契約を結んでの就労訓練が行える施設です(全国に約4,000か所)。
雇用契約を結んでいるだめ最低賃金が保障され、月6万~10万円ほど(※1)の給料がもらえます。
B型事業所よりも高い賃金ですが、その分「1日4~6時間、週5日ほどの安定した通所」や「最低賃金を支払えるだけの作業レベル」を求められます。
A型事業所がおすすめな人
・週5日安定した通所ができる人
・一般就労は難しいがB型事業所では物足りない人
事業所によっても差はありますが、基本的にB型事業所よりも厳しいので、自信のない人は、まずB型事業所に通って、自信がついたらB型からA型へステップアップするとよいでしょう。
A型事業所は、主に「就労経験のある人」や「就活をがんばったけど就職できなかった人」が対象です。
仕事内容はB型事業所と同じく、事業所ごとに全く異なります。
仕事内容の例
・軽作業(組み立て/検品/データ入力等)
・IT系(HP作成/プログラミング/CAD等)
・イラスト、デザイン
・動画制作
・eスポーツ(ゲーム)
・飲食(接客や調理補助)
・ハンドメイド(雑貨やグッズ制作)
・農作業
・クリーニング、清掃
就労移行支援や就労継続支援B型とは違い、就労継続支援A型で行うのは「仕事」です。
B型事業所以上に作業レベルや作業スピードは求められますが、一般企業よりは基本的に楽です。
筆者も数年間、A型事業所を利用していましたが「一般企業で働くのは難しいけど、アルバイト並みの給料が欲しい‥(かつ週5日安定して働ける)」という人にはかなりおすすめできます。
A型事業所も利用期間に制限はありません(施設によっては定年あり)。
↓A型事業所の給料の詳細
就労継続支援A型の給料/手取りは?月収30万円も!
↓筆者の体験談など
就労継続支援A型とは? 7年通った感想や体験談
対象者や利用条件
作業所はどんな人が通えるの?
各支援サービスの対象者やおすすめな人は、これまでに説明した通りですが‥
就労移行支援は「就労を希望する障害者や難病患者」、就労継続支援A型・B型は「一般就労が困難な障害者や難病患者」であることが、主な利用条件です。
就労継続支援A型は「雇用契約を結んで働ける(≒安定して週5日通所できたり、作業がきちんとこなせたりする)」ことも条件となります。
グループホームと併用して利用することも可能です。
「対象疾患」や「必要なもの」「年齢制限」など解説します。
就労移行支援
対象となる障害や疾病
例えば、以下の障害や難病を持っている場合に利用できます。
就労移行支援も就労継続支援も同じです。
種類 | 障害・病気の例 |
---|---|
精神障害 | うつ病、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症、解離性障害、強迫性障害、摂食障害、適応障害、パーソナリティー障害、パニック障害、社会不安障害、てんかん、PTSD、高次脳機能障害、薬物依存症、アルコール依存症など‥ |
発達障害 | 広汎性発達障害≒自閉症スペクトラム障害(ASD:自閉症、アスペルガー症候群など)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD:読字障害、書字表出障害、算数障害など)、コミュニケーション障害など‥ |
知的障害 | 知的障害の重さに制限はありませんが、軽度~中度の知的障害者が多く通っています。 |
身体障害 | 視覚障害、聴覚または並行機能の障害、音声機能障害、言語機能障害、咀嚼機能障害、肢体不自由、内部障害(心臓機能障害、腎臓機能障害、肝臓機能障害、呼吸機能障害、ぼうこう・直腸機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害)など‥ |
難病 | 筋ジストロフィー、クッシング病、筋萎縮性側索硬化症、骨形成不全症、クローン病、混合性結合組織病、潰瘍性大腸炎、高安動脈炎、ジストニアなど‥(※1) |
※1:厚生労働省が指定している「対象疾病(難病等)」に当てはまれば、難病患者も作業所を利用できます。
難病以外は、特に疾患名ごとに対象か否かが決まっているわけではありません。
精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、いずれかに当てはまれば利用できます。
軽度から重度まで、幅広い利用者層がいるよ。
大人の発達障害を持っている人も利用できます。
グレーゾーン、ボーダー(境界知能)など、障害か微妙な人や、診断名がつかない場合でも、利用できることがあります。
障害者手帳なしでも利用可
就労支援事業所(作業所)は、障害者手帳なしでも利用可能ですが、手帳がない場合は、代わりに以下のいずれかが必要です(※1)。
- 医師の意見書(診断書)
- 障害年金証書
- 自立支援医療受給者証
- 特別支援学級/特別支援学校の利用実績
上記の中で最も入手しやすいのは「医師の意見書」です。
病院に通っている人なら、2,000~5,000円ほどで作成してもらえます。
利用サービスを決めてから「就労〇〇支援を利用したい」と伝えて、作成してもらいましょう。
年齢制限
各就労支援サービスの年齢制限は、以下の通りです。
サービス種類 | 下限 | 上限 |
---|---|---|
就労移行支援 | 原則18歳以上(例外あり※1) | 原則65歳未満(例外あり※2) |
就労継続支援A型 | ||
就労継続支援B型 | 上限なし(※3) |
※1:18歳未満でも15歳以上で児童相談所が許可した場合は利用できます。
※2:65歳に達する前5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていた人で、65歳に達する前日において各支援の支給決定を受けていた人は、65歳以上でも引き続き利用可能です。
※3:制度としては65歳以上の高齢者でも利用できることになっていますが、自治体によっては利用が難しい場合もあります。
就労移行支援
利用料金
作業所や自治体によっては、交通費補助が出る場合もあるよ。
作業所(就労支援事業所)は、9割以上の人が無料で利用しています。
具体的には「生活保護」または「住民税非課税」世帯なら、利用者負担(利用料)0円で利用できます。
住民税課税世帯の場合は、課税状況に応じて自己負担上限額(多くてもここまでしか掛からない金額)が決められています。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(※1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満※2)(※3) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
※1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
※2:収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。
※3:入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
※参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」
「一般1」「一般2」の場合、上限に達するまでは「1日数百円程度×利用日数」の分、利用料がかかります。
所得を判断する際の世帯範囲は以下の通りです。
種別 | 世帯の範囲 |
---|---|
18歳以上の障害者(※1) | 障害者本人と配偶者 |
障害児(※2) | 保護者の属する住民基本台帳での世帯 |
各区分の年収目安など、利用者負担の詳細は、以下の記事をご覧ください。
当サイトの計算ツールで、年収から、ざっくりとした区分判定をおこなうことも可能です。
↓就労移行支援の利用料金
就労移行支援の利用料|年収204万以下は無料?計算や1日の自己負担額も
↓就労継続支援B型の利用料金
就労継続支援B型の利用料|免除の条件は?97%は無料で通っている
↓就労継続支援A型の利用料金
A型事業所の利用料|年収204万以下は免除?なぜ必要?計算ツールも
利用の流れ・利用方法
作業所(就労支援事業所)に通うには、以下の流れで手続きを進めていきます。
- 1.事業所探し
インターネットなどで事業所を探します。公式HPだけでなく、評判や口コミもチェックしておきましょう。
- 2.見学
気になる事業所があれば見学や体験をします。事前にメールや電話で見学の予約を取るとよいでしょう。
- 3.市町村役場に申請
お住いの市区町村役場の障害福祉課で、利用申請の手続きを行います。利用条件を満たしているかなどの審査があります。
- 4.障害福祉サービス受給者証が届く
審査に通ったら、障害福祉サービス受給者証と呼ばれる各サービスを利用するための手帳が届きます。届いたら通う予定の事業所へ連絡を取り、利用契約を結びます。受給者証も持っていきましょう。
- 5.利用開始
事業所との話し合いで通所開始日を決定し、利用開始となります。
よくわからない場合でも、施設や役所の職員が丁寧に案内してくれるので、コミュニケーション苦手な人でも大丈夫です。
A型事業所(A型作業所)で働くには、一般のアルバイトと同様、面接も受ける必要があります。
A型のみ以下の手順も必要
・面接前にハローワークで紹介状を発行してもらう
・履歴書を用意し面接を受ける
・事業所と雇用契約を結ぶ
まとめ
当記事のざっくりとしたまとめです。
- 作業所とは、一般企業等に就職できなかったり、仕事が長続きしなかったりする障害者/難病患者のために「働く場」「交流の場」を提供する施設のこと
- 昔は「小規模作業所」「共同作業所」「授産施設(授産所)」「福祉作業所」などと呼ばれていた
- 現在では「就労移行支援事業所」「就労継続支援A型・B型事業所(特にこちら)」を指すことが多い
- 早めの就職を目指す人は、就労移行支援がおすすめ
- それ以外の人は、週1~4日からなら就労継続支援B型、週5日安定して通えるなら就労継続支援A型がおすすめ
作業所に興味がある人は、まずはお近くの事業所を探してみましょう。
「医者や家族にすすめられたけど行きたくない!」と思っている人はもったいないよ。
楽しんで通っている人もいるし、就労支援が就職や社会復帰につながった人も大勢いるよ。
人によって事業所の当たりハズレがあるので、評判や口コミはチェックしておきましょう。
人間関係や雰囲気、職員の質なども、事業所ごとに様々です。
合わなければ、辞めて別の事業所に通っても問題ありません。
見学や体験を行っているところも多いので、ぜひ一度行ってみて、複数の事業所を比較してみましょう。
就労移行支援