就労継続支援B型の工賃規程の「例」と「ひな形」のうち、ネット上で一般公開されているものをご紹介します。
工賃規程の作り方も簡単に解説します。
なお、工賃規程を作成したら、使用前に念のため「内容に問題ないか」各地域の管轄行政へご確認ください。
工賃規程のひな形(テンプレート)は下記サイトでダウンロードできます。
[就労継続支援B型]の「12工賃規程説明書」または「15工賃支給規程」リンクです。
必要に応じて、項目を追加したり調整してください。
初回契約や工賃ルール変更の際は、利用者さんから工賃規程の同意を得ておきましょう。
同意を得ずに工賃を設定してしまうと、トラブルにつながりかねないからね‥。
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工賃規程の作り方
工賃規程とは、利用者に工賃を支払う際のルールをまとめたものです。
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事業所によって「支給額」や「金額が決まるルール」「支払い方法」などが異なるため、工賃規程としてまとめておき、利用者に示す必要があります。
工賃規程を整備しておかないと、実地指導で行政から指摘されるので気を付けましょう。
↓工賃規程の主な項目
- 目的
「この規程は〇〇(事業所名)が行う障害者総合支援法に基づく、就労継続支援B型事業の利用者に対して、支給する工賃についての基準を定めるものとする。」などと書きます。
- 定義
「工賃とは何か?」の定義を書き、工賃によってどんな支援につながるか「利用者が自立した日常生活または社会生活を営むことを支援するために支給する」などと書きます。
- 作業の範囲
作業時間や休憩時間の取扱について書きます。例「1日の所定作業時間は、原則午前9時~午後4時までとし、午前12時~午後1時までは昼休憩とする」。例外もあれば書いておきましょう。
- 工賃の支給額
具体的な工賃の金額やその決め方(計算方法等)について書きます。わかりやすく表などを用いるとよいでしょう。
- 工賃の計算期間および支払日
いつからいつまでの工賃をいつ支給するか書きます。例「工賃は毎月1回、前月の1日から前月末までの分を翌月末日に支払する」。支給日は15日、20日、25日、月末が多いようです。支給日が休日の場合はどうなるかも書きましょう。
- 工賃の支払い方法
手渡しか銀行振り込みかなど決めて書きます。手渡しの場合は、工賃を支給する際、本人(または代理人)に捺印してもらうことでトラブルを避けられます。
- 工賃計算の単位
「工賃計算の単位は円とし、1 円未満は切り捨てすることとする。 」などと書きます。
最後に「附則 この規程は、令和〇年〇月〇日から施行する。」と記載しておきます。
↓工賃3,000円ルールとは?
工賃3,000円以下のB型事業所はやばい!計算方法に注意
項目は必要に応じて追加してください。
その他の追加事項【例】
・賞与
・手当(皆勤手当等)
・施設外就労の工賃
・施設外支援の工賃
・工賃の財源
評価制の能力給を導入する場合は、厚生労働省の通達にある「利用者の技能に応じた工賃の差別」にならないよう注意が必要です。
詳細は以下の記事をご覧ください。
↓評価表による能力給はダメ?
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工賃規程が完成したら、使用前に問題がないか管轄の行政機関へ確認して「お墨付き」をもらっておきましょう。
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